2020年6月

【チャペル】2020年6月23日「ネガティブをポジティブに!」宮川雅充 教授(環境社会学、統計学Iなどを担当)

宮川雅充 教授
皆さん、こんにちは。総合政策学科の宮川と申します。
 今日は、「懐かしい人に会った」という話をさせていただきます。10年近く前に、このチャペルアワーで、「人間万事塞翁が馬」の話をしたことがあります。もし意味をご存じない方がおられましたら、調べてみてください。座右の銘にしている人もいるくらい、素晴らしいお話だと思います。本日するのは、それと関わるような話だと思います。
私は最近、ある意味で、マイケル・ジョーダン(敬称略)と「再会」しました。マイケル・ジョーダンは、バスケットボールの往年の名選手ですね。詳しい説明は不要でしょう。ちなみに、誤解のないように補足しておきますが、一度も会ったことはありません。ただ、若かりし頃、彼のプレーと勝負強さのファンだったというだけの話です。彼のドキュメンタリーである「ラストダンス」が公開されたことの影響か、マイケル・ジョーダンに関わるニュースを目にする機会が増えたように思います。それは、とても懐かしいものでしたし、結果的に、彼の勝負強さというか力強さというか、逆境を乗り越えていく(ネガティブをポジティブに変えていく)その圧倒的な魅力を、私に思い出させてくれました。
彼は歴代でもNo.1プレーヤーといえる候補の1人だと思いますが、若い頃は得点王にはなれるが優勝はできず、何度も何度も壁にぶつかっていました。しかし、一度、優勝してしまえば圧倒的強さで3連覇、その後1度目の引退をして、野球に挑戦していましたが、電撃的に復帰。そのシーズンのプレイオフでは完全な本調子に戻っていなかったこともあり負けてしまったのですが、その次のシーズンから再び3連覇。結局、ファイナルでは一度も負けなかったと記憶しています(ちなみに彼は、その後引退し、もう一度復帰するのですが、その話はここではしません)。
結局、何度も何度も失敗し、壁にぶつかりながらも、それを乗り越えていったスーパースターと再び会い、自分の若い頃のこと(ある意味での「初心」)を思い返したということです。今は、新型コロナの影響で、通常よりも困難な時期だと思います。しかし、私たちは、とにかく、この逆境を乗り越えていかなければなりません。だとするならば、今を生きるしかない。誰が言ったか知りませんが、時間は万人に平等です。逆境に強いマイケル・ジョーダンと「再会」し、自分を奮い立たせたという話です。
皆さんも、様々な状況にありながらも、今を生きていらっしゃることと思います。苦しい状況にあったとしても、それは、もしかしたら、「塞翁が馬」、要するに、とらえ方次第なのかもしれません。たいていのことは、あとで笑い話になるらしいので、一日一日を丁寧に、前向きに頑張っていきましょう。最後に、今回の事態が一日も早く良い方向に向かい、皆さんと「いつもの」チャペルアワーでお会いできる日を楽しみにしております。

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2020/6/27 23:31

【チャペル】2020年6月16日「あなたにとっての大学の学び」宗前清貞 准教授(総合政策A、行政学などを担当)

無題
チャペル講話(縮小版)
宗前は、琉球大学や大阪薬科大学を経て、2016年に本学に移籍した。総合政策学部では「総合政策A」や「行政学(2年春学期)」などを担当している。医療制度を専門にしているが、法学部出身で政治や政策の構造を分析する政治学研究者である。
子どもの頃に、医療マンガの傑作『BLACK JACK(手塚治虫著)』に出会って以来、医療への関心は強かったが、医師でもない自分にはできないと思っていた。ところが、琉球大学時代に、沖縄県立病院のあり方を検討する審議会委員に有識者として選ばれて、いろいろ学ぶ機会があった。医療制度は複雑で難しかったが、内容も面白く、15年以上に渡って医療問題の政治学を研究している。
最近、医療制度に関する研究書を出版した。ずっと続けてきた自分の医療制度研究にまとまりをつける形になったが、その過程で、高校や大学のときに学んでいたことが今の自分の分析能力の基盤となっていることに気づいた。学んでいたときには、後にこういう形で結実するとは思っていなかったが、結局学んだことというのは、何一つムダにならないと思う。
私は2年浪人して入学し、再受験のため1年留年して3年遅れで大学を卒業した。現役進学した高校同級生は社会人4年目、多少の焦りもあった。だが今振り返ると、その「遅れ」は、自分の学びを成熟させるために必要な時間だったのだ思う。
いま、コロナ禍で3ヶ月近い自宅待機の大学生活が続いている。浪人や留年経験と同じく、それは本来ないほうがいい。しかし、”Crisis As an Opportunity(危機こそ好機)“という表現があるように、そうした状況をチャンスに活かすこともできる。「本当なら登校できていたのに」という悔しい気持ちは向学心の表れだから、愚痴だなどと切り捨てず、肯定的に評価していい。その一方でオン・デマンド講義やオン・ラインゼミという新しい学習スタイルによって、自分のペースで学ぶことの意義を理解するチャンスでもある。今だからこそ得られる学びのスタイルに気づくことができるのだ。
高校時代に進学を目指していた頃、学びとは競争であり上を目指す展開だったかもしれない。一方で、大学の学びはもっと水平的で個性的なものだ。ライバルは自分であり、より深く学ぶことが重要だ。
秋学期にはきっと落ち着いた状態で対面授業を再開できるだろう。そこで成長した学生一人ひとりと会うのを心待ちにしている。

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2020/6/20 22:36

[チャペル]2020年6月9日 KSC学生団体によるメッセージ(2)

1. フィリピンの女性と子どもと一緒に歩む学生団体 くじら
上田千裕(総政3年)
リカとの集合写真 販売様子
フィリピンの女性と子どもと一緒に歩む学生団体くじらです。私たちは刺繍商品の販売活動を通して、フィリピンの貧困地域に暮らす女性や子ども達の自立支援・教育支援を行っています。女性たちが一針一針想いを込めて刺繍した商品を通して、多くの方にフィリピンの貧困の現状や女性たちの活動についてお伝えしています。他には現地訪問するスタディーツアーや同志社・立命館大学との合同企画もあるので、ボランティアに踏み出すきっかけになれたらなと思います。学校が始まらず、実感のないまま授業が始まり、一緒に授業を受けたりサークルを探す友達も作りづらい環境だと思いますが、学校が再開してみなさん活動とできる日を楽しみにしています。

2. 国内ボランティアサークル つなぐ
坂根舞(総政2年)
つなぐ1 つなぐ2
皆さん、こんにちは。国内ボランティアサークルつなぐです。私たちは、主に国内の子どもたちを支援する活動をしています。具体的な活動内容は、子ども食堂や児童養護施設の訪問などです。地域と連携して行っています。私たちは、「継続性・主体性・自主性」を大切にボランティア活動を行っています。今回、コロナの影響で学校が休みになり、家にいる子どもたちと、その親御さんたちのお役に立てないかということで、オンライン学習支援を開始しました。小中高生を対象に、Zoomを使って宿題や課題のお手伝いをします。三田キャンパスのボランティアサークルを中心に学生主体で行っています。大変な時期ですが、このような時だからこそ、私たちが今できることを頑張っていきましょう。

3. 関西学院大学YWCA 秋田美空(総政3年)
YW2 YW1
私は2年生の時に、関西学院大学YWCAを友人と立ち上げ、活動をしてきました。YWCAは、キリスト教を基盤とした世界最大級の国際女性NGOで、弱い立場におかれているマイノリティをエンパワーし、さまざまな問題に包括的に取り組んでいます。私は大学1年の時、初めての一人暮らし、慣れない環境で挫折しそうになりましたが、いろんなことに前向きにチャレンジして、YWCAと出会い、現在はジェンダーやセクシュアリティに関わる様々な活動を行なっています。大学ではいろいろなチャンスがたくさんあります。今、キャンパスに行けず、慣れない授業で不安だと思いますが、自分のペースで、少しずつ知見を広げられれば、そこにはたくさんのきっかけがあると思います。ぜひ、無理をしすぎず、頑張って欲しいです!関学YWCAでは、6月のプライド月間に合わせて、YouTubeライブ、Zoomで当事者とおしゃべり会、当事者のオンラインMeetupなど、LGBT+に関わるイベントを開催予定です。これが皆さんの新たなきっかけとなれば嬉しいので、ぜひ参加してみてください!私自身もバイセクシャルなので様々な人に会えることを楽しみにしています。ぜひ、オンラインでお会いしましょう!

4. J-FUNユース K.G. 吉村冴(総政3年)、下和佐涼花(総政2年)
Jfun
私たちJ-FUN Youth K.G.は難民問題解決に取り組むUNHCRの学生支部として活動しています。私たちの団体は小規模なので、難民の方々と交流したり、自分が考えたイベントや企画が実際に団体として実施されるという特徴があります。今は、直接会って話し合うことはできませんが、「今だからこそできること」を考え、オンラインミーティングでの活動を続けています。1年生の皆さんは学校に行けず、不安に感じることが多い思いますが、私たちも全力で立ち向かっています。学生という立場で何ができるのか、悩んでいる方、もしくは明確にやりたいことが決まっている方、私たちと一緒に「今できる」社会貢献してみませんか。皆さんと一緒にキャンパスで活動できる日を楽しみにしています!!

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2020/6/15 11:51

【チャペル】2020年6月2日「”あなたの世界”の版図を広げよう」村瀬義史 宗教主事

6.2 村瀬

(縮小版)関西学院は「ミッション」を強く意識している学校です。他の人との比較ではなく学生の人としての成長に関心を寄せています。また、関西学院がミッションを大事に考えている、ということは、つまり、関西学院につどうみなさんに、たえず、「あなたのミッションは何ですか?今日、あなたの使命は何ですか?」ということを問いかけている、ということでもあります。

イエス・キリスト自身も、様々な人と出会う中で、自分のミッションを探究しました。彼は「病人」や「罪人」と当時みなされていた人たちに、特に深く耳を傾けたことが聖書に書かれています。これらの人々は、周囲の人々から見下され、社会的に低められ、弱い状態にあった人々です。周囲の人からその存在や発言を軽んじられたりしている人々の言葉、注意深く聞かないと聞こえない小さな声に耳を傾けることで、イエスはとても広い地平を生きていたのだと思います。そのように自分の世界を広げる中で、人を分け隔てない無条件の神の愛を知り、自分のミッションを見定めていったのではないか、と思うのです。

わたしたちが自分の生きる世界地図を広げる方法の一つがここに示唆されています。自分の地図を広げるというのは、単に、空間的な移動範囲を広げるということではありません。あるいは、インターネットなどで世界各地の情報を自分の所に集めるということでもありません。聞こうとしなければ聞こえない言葉を聞き、見ようとしなければ見えないものを見る、ということが、自分が生きている世界を広げるために必要な一つの道なのでしょう。

Stand Under Others To Understand Othersという言葉があります。誰かを、また、何か物事を理解しようと思うなら、相手に対する敬意をもって向かい合うことが必要です。世界を広げるための大切な構えだと思います。まずは身近な人との間で考えてみてください。今、様々な制約がありますが、二度と戻ることのない関学生としてのひと時ひと時です。どうか、関学での学びを通してあなたの生きる世界を広げ、そこでの活動を通して自分の使命を探っていってください。そのことが、あなたの関学ライフを一層ゆたかにするでしょう。

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2020/6/7 0:01

【チャペル】2020年5月26日「風、息、いのち、呼び声」李政元 教授(家族福祉論、データ解析Ⅱなどを担当)

5.26 李先生
マルコによる福音書 4章 39節
イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。新2回生、新3回生、新4回生の皆さんお元気ですか?
 本来であれば皆さんの元気なお顔を拝見しながらチャペルの時間を持てたらと願っておりました。自宅やあるいは下宿先でこれを聞いている皆さんはどのような毎日をお過ごしですか。
 今、風が吹き荒れています。私たちの乗っている社会という船は大きく激しく揺らぎ、私たちは今にも命と生活を運ぶその船から振り落とされようとしています。
 新型コロナウィルスに日々、多くの人々が感染し、命を落としています。目に見えない小さくも大きな敵の前に、私たちは殆ど何もできずにただ立ち竦むばかりです。生命の危機に瀕するとき、自分を守ってくれていると信じていたものが私たちから一枚そしてまた一枚と剥がれ落ちていきます。
 人は、自身の命が危険に晒されるとき、あるいは対処困難な出来事に遭遇するとき、心は平静さを失い、身に降りかかった出来事の責任を自分以外の誰かのせいにすることがあります。平静を失った心は、その凶暴性を剥き出しにして、自分以外の誰かを攻撃することすらあります。
 今のこの危機は、私たちに問いかけます。「あなたは、これからどうするのか」と。
 私たちが体験している喪失の多くは、新型コロナウィルスの存在だけによるものでは説明が尽きません。私たち人間がこれまでに、小さくも誤った「合理的」な判断?を積み上げてきたことによってもたらされたものも少なくないのです。それら小さくも誤った判断の裏には、大切なことの順番付けを少しずつ間違えてきたことにあるように思います。
 地球規模で人とモノの移動はかつては想像もできないほど速くなり、同時にウィルスの伝播も制御できないほど速くなりました。大都市圏を中心とした経済活動の局地化は一見すると合理的選択のように見えますが、そこでウィルスは猛威を振るい、全てが揃っていたはずの大都市の医療資源をあっという間に食い潰し、医療は崩壊し、救えたはずの多くの命を奪っています。
 皮肉にも、人間の外出と経済活動が抑制されるなか、淀んでいた空、川、そして海が澄み渡り、生き物たちが帰ってきたという知らせを耳にするようになりました。「今、人々に光は見えないが光は大空に輝いている。風が吹き渡り、大空を掃き清める。(ヨブ記37章21節)
 今の危機は私たち1人ひとりに問いかけます。「あなたは、これからどうするのか」と。
 今回の出来事は多くの人たちの人生を一変させました。突如ウィルスとそれによって引き起こされた病によって人生を中断させられた人々、愛する家族が奪われた人々、人を疑うようになった者、人を差別し批判・攻撃するようになった者、いやいや、人をより信頼するようになった者、自分以外の誰かの命を守りたいと考えるようになった者、この世界をより良くしたいと考えるようになった者がいるはずです。そして皆さんはどうでしょうか?「あなたは、これからどうするのか」との問いかけにどのように応えますか。

本日の聖書をもう一度読んでみます。

イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。
今、激しく吹き荒れる風のなかから、私たちに「静まれ」との呼び声が聞こえてくるように思います。祈りましょう。

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2020/6/1 15:38

プロフィール