【チャペル】2020年6月16日「あなたにとっての大学の学び」宗前清貞 准教授(総合政策A、行政学などを担当)

無題
チャペル講話(縮小版)
宗前は、琉球大学や大阪薬科大学を経て、2016年に本学に移籍した。総合政策学部では「総合政策A」や「行政学(2年春学期)」などを担当している。医療制度を専門にしているが、法学部出身で政治や政策の構造を分析する政治学研究者である。
子どもの頃に、医療マンガの傑作『BLACK JACK(手塚治虫著)』に出会って以来、医療への関心は強かったが、医師でもない自分にはできないと思っていた。ところが、琉球大学時代に、沖縄県立病院のあり方を検討する審議会委員に有識者として選ばれて、いろいろ学ぶ機会があった。医療制度は複雑で難しかったが、内容も面白く、15年以上に渡って医療問題の政治学を研究している。
最近、医療制度に関する研究書を出版した。ずっと続けてきた自分の医療制度研究にまとまりをつける形になったが、その過程で、高校や大学のときに学んでいたことが今の自分の分析能力の基盤となっていることに気づいた。学んでいたときには、後にこういう形で結実するとは思っていなかったが、結局学んだことというのは、何一つムダにならないと思う。
私は2年浪人して入学し、再受験のため1年留年して3年遅れで大学を卒業した。現役進学した高校同級生は社会人4年目、多少の焦りもあった。だが今振り返ると、その「遅れ」は、自分の学びを成熟させるために必要な時間だったのだ思う。
いま、コロナ禍で3ヶ月近い自宅待機の大学生活が続いている。浪人や留年経験と同じく、それは本来ないほうがいい。しかし、”Crisis As an Opportunity(危機こそ好機)“という表現があるように、そうした状況をチャンスに活かすこともできる。「本当なら登校できていたのに」という悔しい気持ちは向学心の表れだから、愚痴だなどと切り捨てず、肯定的に評価していい。その一方でオン・デマンド講義やオン・ラインゼミという新しい学習スタイルによって、自分のペースで学ぶことの意義を理解するチャンスでもある。今だからこそ得られる学びのスタイルに気づくことができるのだ。
高校時代に進学を目指していた頃、学びとは競争であり上を目指す展開だったかもしれない。一方で、大学の学びはもっと水平的で個性的なものだ。ライバルは自分であり、より深く学ぶことが重要だ。
秋学期にはきっと落ち着いた状態で対面授業を再開できるだろう。そこで成長した学生一人ひとりと会うのを心待ちにしている。

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  • 投稿日時:2020/6/20 22:36

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