2010年11月

対話を通じて知った、「知っている幸福」と「知らない幸福」

こんばんは◎WEBのいわさきです。
鎌田ゼミではどのような学びをしているのかを
知ってもらうべく始めました「教えて先輩!」。
第二回は2010年の卒業生で社会人1年目の
中野綾香先輩にインタビューです。

今回のインタビュアーはいわさきでお送りいたします◎
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岩:今はどんな仕事をしているんですか?
中:法律事務所で秘書をやっています。私を含めて計7人と、
お互いの顔が見えやすい環境ですね。

岩:具体的にはどういう仕事内容なんですか?
中:そうですね~、色々とあるのですが一言でいえば、
作業が円滑にすすむようにお手伝いすることですね。
岩:つまり「何でも屋さん」みたいなものですかね。

岩:大学生と社会人の大きな違いって何だと思います?
中:どうかなぁ~。今やっている仕事はゼミでやったことのある
ことだったりして、例えば書類作成や会計とかね。
だからやっていることがガラッと変わったという感覚があまりないかな。
特に私はゼミで総務を担当していたのでその経験が
今の仕事をするにあたって一つの緩衝材になっていますね(^^)
ただ、やっぱり学生の時と違って責任感は大きくなりました。

岩:そういえば少し学生時代よりも、どこか自信があるというか、
何か一皮剥けた感じがしますね~。(^^)
中:いやいや、そんなことはないでしょう(笑)
まだまだ職場の人に色々教えてもらうことがあります。
それが結構厳しくて・・・(^^;) 周りの人から「こんなに厳しいのに
よく耐えているね。」と言われるくらいです。(笑)

岩:おぉ、忍耐強さというか、それでも学んでやる!という根性は
やっぱり鎌田ゼミ生の強みでしょうね(笑)
そのうち法律相談に行くかもしれないので(!?)
めげずに頑張ってください(笑)。

■話し合うことで知った、「知っている幸福と知らない幸福」
岩:話は変わりますが、卒業後ゼミ生活を振り返って
どんなことが印象に残っていますか?
中:う~ん・・・私は哲学について何も知らずに入ってきて、
それまで哲学書なんて読んだこともなかったし、
名前ぐらいは知っていたけど・・・
中野インタビュ1
インタビューを受ける中野さん(左)

岩:いや、それは私も一緒ですよ(笑)

ちなみに私は高校時代、倫理の授業もなかったので、
(ゼミに入る時点で)知っていた哲学者といえば
大学の哲学概論で学んだ、ショーペンハウアーと
カントぐらいでしたしね(笑)

中:そうそう。でもこのゼミに入って色々な本に出会いましたよね。
小説とか雑誌とかだけじゃない、なんというか考えさせられる本
というのですかね。今でも時々カバンにこっそり忍ばせて電車で読んでいたり
するんですけどね(笑)

岩:おぉすばらしい(笑)
中:やはり(ゼミを)やっていて面白かったですね。
確かに扱う本は難しいんですけども、今まで考えなかったことを
考える良いきっかけになりました。

岩:確かに社会問題にせよ、国際問題にせよ、鎌田ゼミでは
少し変わった切り口から議論しますからね。そこがこのゼミの
面白い点ですしね(^^)

中:あと議論をすることが多くて、こういう解釈もあるのか!
とか、この人はこういう風に考えるのか!とか、そういう普段は
見ることができないその人の一面が見えるのは面白かったですね。

私が三回生の時に書いた論文『「知る幸福」と「知らない幸福」』(コチラ)も、
こうして色々な考え方があるんだ、ということを強く実感して書こうと
思った論文なんですよ。

岩:あっそうだったんですか。それは知りませんでした。
ちなみにその論文はざっくりと説明するとどういう内容なんですか?

中:そうですね、世界には色々な問題があると思うんですけど、
その問題がなぜ引き起こされたのか、その原因が知られていなかったり、
そもそもその問題自体が知られていなかったりするわけですよね。
そうなると、自分が知らない間に色々な問題の片棒を担いでいたりして、
余計に問題を悪化させることも起こりうるわけですね。
だからこそ、色々なことを知ったほうが幸せになれるんじゃないか、
という内容のものを書きました。

岩:なるほど。鎌田ゼミでは社会問題を根治するにはどうしたらよいのか、
ということについて常に議論をしていますが、それを達成する上で
最も大切な”一歩”だといわれているのが、”問題を知ること”ですね。

そのために哲学だけにとどまらず、社会学や経済学など
様々な学問分野を検討しながら、表面的なことだけではなく、
問題の根幹を知るということが私たちの普段のゼミ活動だといえますね。

中:仕事をする上でも、世間の表面的なことだけを見るのではなく、
世間の裏側も見ることを忘れないようにしています。
ただ見えることだけを鵜呑みにするのではなくて、
少し落ち着いて「どうしてこうなったのか」を考えることを心がけています。
まぁできているかはわからないんですけどね(^^;)

岩:なるほど~。ゼミで学んでいる内容それ自体というよりも、
ゼミで学ぶことを通じて学んだことが今でもどこかで生きているみたいですね。
いやぁ貴重なお話ありがとうございました!
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●編集後記
今回はインタビューというより、どちらかといえば
対談形式になりましたね◎
実は中野さんは私と同期。(私は休学しているので一年卒業が遅くなってます)
同期の仲間が頑張っている姿を見ると、自分も頑張ろうと感じます。
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■Profile■
中野綾香(なかの あやか:写真右)
2006年関西学院大学総合政策学部 入学。
2008年鎌田ゼミに入り、2009年進級論文「星新一から紡ぎだす幸福のかたち―「知る幸福」と「知らない幸福」―」で小島賞受賞。2010年卒業。現在大阪府内の法律事務所にて事務職。ホームページはコチラ

先輩インタビュー第一弾:橘綱男さん:グループワークを通じて感じた信頼

来年度ゼミを選択する皆さんこんにちは!

先日もゼミ選択のためのシンポジウムが開かれ、これから皆さんはそれぞれ
自分の興味関心のある先生に直接会いに行ったり、ゼミ見学に行ったりと、
ゼミ選びのための情報収集を始めると思います。

鎌田ゼミではどのように学んでいるのか、そして鎌田ゼミで学んだ
卒業生がどのような進路を歩んでいるのかを紹介すべく、
先輩インタビューを記事にしています。
今週から週に1つから2つの記事をアップする予定ですのでぜひ参考にしてください。
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卒業生インタビュー1人目は2009年卒業生で日本金融通信社新潟支局の記者、
橘綱男先輩です。聞き手は塙です。お楽しみください。

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塙:鎌田ゼミに入るにあたり、何に魅力を感じたのでしょうか。

橘:一つだけ挙げるならばグループワークを基本としているところですね。

塙:なぜグループワークが魅力的だったのでしょうか。

橘:僕は大学でクラブ活動に熱中していましたが、初めの2年間で誰かとの
共同作業や他人に思いやりを持つことが自分には足りないと思い、
鎌田ゼミのグループワークなら自分が成長できそうだと感じたからです。

塙:実際に取り組んでみていかがでしたか。

橘:最初は周りに付いていけなくて苦しい思いもしましたが、トレーニングだと思って頑張っているうちに
面白く感じる時間も増えていきました。
毎週のゼミから特別に企画する行事まで、全てがグループワーク。
みんなで一つのものを作り上げることは本当に楽しかったです。
基礎演習・研究演習合同の春合宿、リサーチフェア、論文集作成などが特に印象に残っています。
ゼミはクラブ活動にも良い影響を与えてくれて、3~4年生の2年間は
とても有意義な時間となりました。

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08年5月、春合宿での様子。真剣な顔つきで聴衆に語りかける。

塙:橘さんが4回生の時、私は鎌田教授の基礎演習Ⅰを受けていましたが、
確かに橘さんは楽しそうでした。一緒に頑張った同期の方々とは今でも
仲が良いのでしょうか。

橘:僕は地方に勤務しているので頻繁に会うことはありません。
でも、みんながゼミでの経験を生かして頑張っていると信じています。
だから僕も頑張らないといけないと思っています。

塙:グループワークで信頼を作ることができたのですね。

橘:はい。僕は4回生の冬、大学生活最後の仕事として論文集作成に
取り組みましたが、疲労が極限に達した作業の最終日、ゼミ生が登録
されているメーリングリストで応援を要請しました。

当時4回生は入社に向けての資格勉強や新生活の準備で忙しく、
3回生は就職活動や翌年度のゼミの準備に追われていました。
けれども「来ないだろう」と予想していた人も含め、ほとんどのゼミ生が
駆けつけてくれました。あんなに嬉しかったことは他にありません。
あのような経験が人を信じることにつながっていると思っています。

塙:ありがとうございました。私もそんな経験ができるように、
頑張りたいと思います。

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10年8月、研究演習夏合宿にて。OB・OGやゼミ生と談笑。
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橘綱男(たちばな・つなお) 05年3月関西大倉高校卒、
総合政策学部総合政策学科入学、
07年に鎌田ゼミに入り09年卒。
卒業論文タイトルは『共生の哲学としての「いき」― 光と影の哲学者、
九鬼周造の遺産 ―』。)(参考URL:http://2009.natura-humana.net/tatibana/graduate.html
大学では体育会洋弓部でも活動。
08~09年には関西学生アーチェリー連盟の委員長を務める。
09年4月日本金融通信社入社し、広島支局着任。
10年9月、新潟支局勤務。金融機関を取材対象に活動中。
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次回のインタビューは2010年卒業生で社会人1年目の中野綾香先輩です。
お楽しみに。

リサーチフェア開催~「中間」報告とお礼

こんにちは!研究演習2のいわさきです。

突然ぐっと寒くなりました今日この頃、
キャンパスに植えられている木々も真っ赤に染まり
いよいよ冬が近づいているんだなと日々感じております。

さて今回は表題にもありますように、リサーチフェアの
簡易中間報告であります(^^)

本ブログでは告知いたしませんでしたが、
11月5日・6日にリサーチフェアが開催されます。

そして研究演習のメンバーは本日(もう昨日ですが)、
「私語と公共性~私語のない教室へ」と「よく遊び、よく遊べ!」
というテーマで発表いたしました。
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(左:私語と公共性 右:よく遊び、よく遊べ!)

第一回リサーチフェア会議から早5ヶ月。
それぞれ難解なテーマに取り組み、試行錯誤を重ねながら
本日の発表につなぐことができました。

これまでさまざまなアドバイスを惜しげもなく下さいました
先生・先輩方々はもちろんのこと、殊に事前合同発表会
(共同プロジェクト)では亀田先生、亀田ゼミの皆様には大変お世話になりました!

(共同プロジェクトの報告はまた後日アップいたします)

またプレゼンテーションスキルアップセミナーでは
中川先生からプレゼンの「いろは」を丁寧に教えていただき、
本日のプレゼンではそれを十分に発揮できた(かと?)思います!

本当にいろいろな方々に支えていただいて本日の発表を迎えられました
ことに感謝いたします。

リサーチフェアの詳しい内容につきましては、また後日改めて
ご報告させていただきます。

*明日11月6日(土)は基礎演習の学生たちがディベート大会に出場します!
引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

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そして!本日はたくさんの鎌田ゼミOB・OGの方々が応援に
駆けつけてくださいました!
お忙しい中OB・OGの皆様ご参加本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。

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鎌田ゼミOBGと
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それでは今回はこの辺で!(^^)ノ

ラッセル『幸福論』

こんにちは、鎌田ゼミ研究演習Ⅱの福井です。

今回お届けしますのは10月19日のマクロゼミで扱った文献、ラッセルの『幸福論』です。

哲学は難しいイメージが付いて回りますが、
幸福という言葉はそれに比べるとずいぶんと優しい印象を受けるかと思います。
もちろんただ単に優しい内容の文献ではありませんが、
平易な言葉で肩肘をはらずに読めました。

さて、肝心の内容についてですが幸福を一端わきにおきまして、
皆さんは不幸の原因はどのようなものであるとお考えでしょうか。

人によって不幸の種類も度合いもさまざまでしょうか、
ラッセルは不幸の原因は社会が競争を煽り、人々が疲れ果て、
互いに妬み敵視し(もしくはそう思い込んで)、不幸になっているのだと論じました。
自身にも、周囲にも厳しく、あるいは冷笑的であったり、敵対的であったり
するようなひとは確かに幸福であるとはお世辞にも言えないでしょう。

ではそのような態度がどこから出てくるかというと
ラッセルは「罪の意識」としています。

曰く、幼少期に教わった道徳的教育の価値基準が実際的なレベルにおいて
齟齬を生じさせ、結果として基準を満たせない自身に後ろめたさを感じるよう
になってしまうことです。
それが自身のうちに秘匿されているのならばまだ影響は小さいでしょうが、
そうした心象が反転して他者や周囲に及んで積極的に害を与えてやろう、
こうなってしまうと本人はもちろん周囲もまた不幸に陥ってしまうでしょう。

では転じて幸福の原因とは何でしょうか。引用すると・・・
「根本的な幸福は、ほかの何にもまして人や物に対する有効的な関心とも
言うべきものに依存しているのである」、としています。

何となく共感していただける文句だと思われますが、和顔愛語という言葉が
それに近いでしょう。つまりは親愛の念を絶やさないことが幸福の根源なのでしょう。
自分を取り巻く環境に友好的であるのであるのであれば、おのずとそれに応える人や
事柄にも出会うことになり道は開かれてゆくことになります。
そのようになれば、より多くの可能性から自らの最も望むような選択も可能になり、
自身の能力をいかんなく発揮できる理想的な状態になれるでしょう。

不幸の原因を反転させたのがこの幸福の特徴でしょう。
幸福と不幸はどちらも行為や心境、環境に依存しつつもそれぞれが
相反する傾向のために良いサイクルであれ悪いサイクルと、
同じ傾向を強めていくのですが好対照をなしています。
よいサイクル、よい習慣を身につけることが、開かれかつ友好的な世界を
切り開いてゆくことが最も幸福に近づく近道なのでしょう。

以上、第三回マクロゼミの報告を終わります。

プロフィール


鎌田 康男
現在、関西学院大学名誉教授(2016年3月定年退職) 《共生と公共性の philosophy》 ★プロフィール詳細

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