2011年9月

アメリカ研修旅行2011

アメリカ ワシントンDC、NYC研修旅行(2011年9月6日~9月12日)

私たち、小池ゼミ4回生は9月6日から9月12日までアメリカはワシントンDCとNYCに研修旅行に行きました。その中で体験したこと、感じたことをここに書きたいと思います。

9月7日 ホワイトハウス見学
9月7日、私たちはかのホワイトハウスの見学に行きました。3日後に9.11を控えたということもあって、ホワイトハウス周辺にはたくさんの警官がいました。私のホワイトハウスのイメージは郊外に位置し、少し孤立した場所にあるようなイメージでしたが、実際には街の中心部にあるように感じられました。セキュリティチェックを終え、いざ中に入ってみるとまずそこにはオバマ大統領一家の飼い犬であるボーに出会いました。これは嬉しい驚きでしたが、ホワイトハウス内ではカメラを持って行くことも写真を撮ることもできなかった為、残念ながら記念撮影とはなりませんでした。ホワイトハウスの中には歴代の大統領もしくは大統領一家の写真が多く飾られてあり、豪華絢爛という言葉そのものでした。大統領が変わるごとに中の内装も変わるということで、現在はオバマ大統領が尊敬しているリンカーン元大統領の肖像画が大きく飾られていました。またバルコニーからはワシントン記念塔が望めるようになっており、かつては敵(南北戦争時)の襲来を防ぐ為に川の向こう岸までを見渡せたそうです。各部屋にはテーマカラーがあり、赤の部屋、青の部屋といった各色で統一された部屋がありました。
ホワイトハウスは、内装はもちろん豪華で手入れが行き届き、アメリカ大統領の家またはアメリカで最も重要な建物の一つとしての機能を十分に果たしてあるように感じました。しかしながら当初想像していたよりも小さく、裏にはごみが投げ捨てられているという反面が印象的でした。(田中麻)

フルブライト奨学金、ティム・マーシャル氏(米国務省)のお話。
On September 7, we had a lunch at the National Press Building with Mr. Tim Marshall and Mr. Keefe. First, Mr. Marshall told us about his job.

  Mr. Marshall works for the US international exchange program: Fulbright. Its aim is foreigners know more about the US and vice versa. William Fulbright, a Senator of Arkansas established Fulbright in 1946. Today there are more than 150 countries join this program. Fulbright grants about $25,000 plus airplane fee to prospective international graduate and undergraduate students in the US. They also offer rich programs such as pre-departure programs and foreign language teaching assistance program. The benefit of Fulbright is that students can meet other Fulbright students around the world who are in the same fields with them.
 Decline in the number of Japanese students in the US is one of the issues they have now. Mr. Marshall thinks there are three reasons for this: first and most importantly, Japanese students think they will lose out or get behind from other students if they study abroad. Second, more and more students are now going to countries other than the US. Lastly, declining population causes the decrease in Japanese students in the US. Cooperating with the Japanese government, Fulbright is trying to encourage more exchanges between the US and Japan. According to Mr. Marshall, the Fulbright does not only focus on students’ GPA but also on their personalities and experiences. Therefore, anyone who is interested in studying in the US may consider applying for Fulbright.

Mr. Marshall and Mr. Keefe next talked about what they had experienced in the September 11 attacks 10 years ago.

 On 9.11, Mr. Marshall was driving a car. An airplane crushed in Pentagon and another plane in Pennsylvania. There were still 50 unknown planes on the sky. Everyone was in panic and all the lines on the phone were busy. Military troops were everywhere around the subway. He had never seen such things in the US before. His mission after the attacks has been to rebuild the relationship between Muslim countries by increasing more exchange and youth programs.

 Mr. Keefe is a senior researcher at Nikkei America. He was a former colleague of Prof. Koike. Mr. Keefe has two sons: the older one work as a military police and the younger one serving in the marine force. One of his sons saw an article about 9.11 when he was a child. The article showed a picture of a man falling down from the twin towers (see the link below for the picture). The man decided to jump off instead of dying in the building. He probably did not come to the building to commit a suicide, but the event happened that day made him to do so. The photo inspired Mr. Keefe’s son to join the military and he did so 10 years later. 3,000+ people were killed in the 9.11 attack. The casualties of War on Terror from 2001 to present are 6,099. These numbers are relatively low compared to those of World War II, American Civil War, or other wars American fought in the past. However, 9.11 in deed changed many American’s life. Many are still affected by it today.
(http://en.wikipedia.org/wiki/The_Falling_Man) (谷本)

ヘリテージ財団 横江公美さん(客員上級研究員)レクチャー

日本人でアメリカ国内政治を追う人は少なく、たとえ原子力の話題であってもアメリカ国内の政治フォーラムに参加する日本人はほとんどいません。日本に直接的に関係するものしか参加していません。
アメリカ国内政治で重要なポイントは経済、社会問題、そして国防です。大統領選でも共和か民主か、小さな政府か大きな政府かの議論がなされます。オバマ大統領の再選には経済をどう立て直せるかがポイントになっていますが、市民の政治への関心が強いアメリカでは、民主か共和か一方に偏る政治よりも、間の票を集められるような政策が必要です。

私の感想ですが、横江さんのレクチャーはDCで行われましたが、どこの施設に入るにもセキュリティーチェックがあったことです。テロ10周年ということもあり、厳しさは異常だったそうです。セキュリティが向上したのも1つの変化ですが、政府機関の情報共有がうまくいくようになったこともテロで変わったことの1つだそうです。いずれにしてもテロがアメリカを変えたことは確かなのだと感じました。(田中友)

9月9日 国連本部訪問
9月9日、私達はニューヨークにある国際連合の本部を訪問し、国連で国際公務員として長年勤めていらっしゃった田島幹雄先生(本学客員教授)にお話を伺いました。田島先生は関西学院の高等部を卒業後、アメリカの大学に進学し、国際公務員になられたそうです。
田島先生との対談の中での主な内容:
・国連で働く人々
・国連の役割(立ち位置)
・国連のこれからの課題
・国連と日本の関係

1.国連で働く人々
国連では国家公務員の方々と国際公務員の方々が働いています。国家公務員の方々は各国の代表部として、自国の利益を目的に、国際公務員の方々は中立的な立場で、世界に貢献するために働きます。因みに田島先生と西本昌二先生(関学総合政策学部教授)は国際公務員として国連で働いていらっしゃいました。国家公務員と国際公務員の仕事分担についてエイズ問題を例に説明すると、
・ 議論通して決議案を出し、予算を作る→国家公務員
・ 予算以降の仕事。アフリカへの視察、クリニックの建設、医者のトレーニングなど→国際公務員
2.国連の役割
1945年以来、国連の役割は世界の『平和と安全』、『生活水準の向上』でしたが、近年は『人権問題』も国連の活躍が求められるフィールドとなっています。国連の『Peace Keeping』に対する考えは、中立・同意・非武装です。しかし田島先生は、「内政不干渉であっても人権問題に関しては、今までの主権国家に対する考え方を打破すべき。」だとおっしゃっていました。
3.国連のこれからの課題
地球規模の問題が増加していることを受けて、田島先生は『Global Governance』の必要性を強調していらっしゃいました。また『Global Governance』には4つのアクターである「市民団体」、「企業」、「国際機関」、「主権国家」の協力が必要不可欠だとおっしゃっていました。
4.国連と日本の関係
国連と日本の関係について、やはり田島先生は日本の人的貢献の少なさを指摘していらっしゃいました。近年日本政府は、国連をはじめとする国際機関でより多くの日本人が働くようになることを重視しているそうです。そこで注目したいのが国連事務局若手職員を採用するためのYPP(Young Professional Program)試験です。田島先生が国連で働くきっかけとなったのもYPPだったそうです。このYPP試験に合格しポストを提供された人は、2年間の勤務中の成績が優秀であれば引き続き採用され、新たな任地での勤務となるそうです。
応募条件:日本国籍を有し、32歳以下。英語またはフランス語で職務遂行が可能であること。募集分野に関する所定の学位号以上の学位を有すること。
2010年までの国連職員採用試験では、国連の公用語を少なくとも2言語話せる必要がありました。しかし本年度から『英語またはフランス語のどちらか』に変更されたことで、より多くの日本人国連職員が誕生することを期待したいです。
5.田島先生からの熱いメッセージ
日本の若い人々にはもっと危機感を持ってほしい。日本ほど外国に(資源や食糧など)依存している国はない。もっと外に目を向けてほしい。
国連は『平和の勇士』若い人々を求めている。(藤原)

日本経済新聞 刀弥館久雄社長のレクチャー
大きく2つにわけて、9.11のアメリカ人の意識とオバマ大統領の再選の話していただきました。
まず9.11のことですが、10周年をいかに安全に乗り切るかが重要でした。安全に乗り切ることで、生活にも安全が戻ると認識されていました。アメリカがテロとどう向き合うかですが、グラウンドゼロにイスラム教のモスクを作るかという論争があり、アメリカはイスラム教の排除よりも共存という道を選びました。戦争での犠牲者もある程度覚悟の上です。それで世界平和を守るなら、それはアメリカがヒーローということになり、アメリカの利益につながるからです。日本では、日本がどう歩むべきか議論すらされていません。
次にオバマ大統領の再選についてです。経済を立て直せる人が支持されます。オバマ大統領も需要を作り出し、失業率9%をどうにかしようとしています。再選のためにアメリカ政治は1年間、アメリカのため、という色が強くなります。戦後、高度成長を遂げた日本の90年以降の失われた10年、いまだに立ち直っていない日本経済の様子を見て、リーマンショックによる不況から立て直すことができないのではないかという不安が強くあるようです。
最後に日本について少し触れていただきました。アメリカ政治がしばらく内向きになる間に日本にはどのような影響があるかです。東日本大震災からの復興のため日本も少し内向きになっているのではという疑問に、そのままでは取り残されるのではないかということでした。日米だけでなく日中、アジアと広く世界とつながることが日本の経済に重要なことではないでしょうか。(田中友)

9月9日、朝日新聞社で山川一基記者から、現在の世界の経済状況についてお話を伺った。

【米国】
 債務上限引き上げの決定権を持つ議会は、これ以上債務を増やすのは良くないと考え、引き上げをせず歳出削減を進めようとした 。これに対し、8月2日オバマ大統領は上限引き上げを依頼した。アメリカ国民の約半分は、将来を懸念し、これ以上の債務をやめるべきだと考えている。テレビでは大統領や議員が演説や討論をしている様子が放送され、国民もこのことについて皆話し合っている。日本では債務を減らそうとする政治家は不人気になる。
 米経済雑誌Economistの表紙に、噴火した富士山を背景に着物を着たオバマ大統領(と独メルケル首相)が描かれ、”Turning Japanese”とタイトルが付けられている。少子高齢化やリーマンショック後のデフレで物価が下がり、消費がなく経済成長しない、といった日本化の恐れを現している。しかし、米国は人口が増加しているという面で日本と異なる。
(http://www.economist.com/node/21524874)

【欧州】
 ギリシャが破綻すると、ユーロの信用が落ちるため、ドイツが救済に回った。ドイツ人は自分たちの税金を使ってギリシャの救済を行うことに反対し、ヨーロッパ各国で意見が分裂している。
【ブラジル】
 人口約2億人のブラジルは石油などの資源に恵まれているが、軍事政権が長く続き、政治が未熟である。貧困層出身のルーラ大統領は、所謂子供手当政策である、ボルサ・ファミリアを始めた。子供を学校へ行かせる家庭には現金を与える、最低賃金を上げるといったものである。民意が政策に反映されていて、とても民主主義的である。貧困対策を進めると食品経済が潤い、個人消費が爆発的に進む、そして経済成長に繋がる。
【日本】
 国内マーケットが広がり、内需で経済が潤うブラジルとは反対に、日本は人口減少が進むにつれ、国内マーケットが狭まる。税金が入らないため、国債を減らすことができない。米国やブラジルのように、国民が問題について議論し、その意見が反映される真の民主主義政治が行われるためにも、国民がどういう社会を作りたいかという意識をより強く持つべきである。(谷本)

NYCを振り返って
NYCでは9月8日から12日(私は11日)までを過ごしました。9.11の十周年に近いということで街中にパトカーや警察官、軍人がいました。私たちは自由の女神、ウォール街、グラウンドゼロ、ストロベリーフィールドやメトロポリタン美術館などの名所を回りました。9.11を翌日に控え、グランドゼロの周りには多くの報道陣、記念碑には花が添えられ、10年経った今でも事件が風化していないことが分かりました。The New York Times のロビーでは事件当日の写真が飾られ、何とも言えない気持ちになりました。11日当日は日曜日ということもあってか、街には観光客が多く地元の人々は少ないように見られましたが、多くの警察官、軍人が巡回していました。JFK空港までの道中は混むことが予想された為に、とても早くにホテルを出ましたが、特に道が混んでいる様子もありませんでした、空港ではもちろん軍人の人々が警戒していましたが、セキュリティなどは他の日と違った様子もなく、乗客たちもリラックスしているように感じました。ニュース等でテロが計画されていると騒がれていましたが、街行く人々は特に警戒している様子は見られませんでした。9.11から10周年という二度とない機会にNYで実際にその空気を体験できたことはとても貴重な経験になりました。(田中麻)

教員より
 同時多発テロから10周年のアメリカ旅行であった。メディアが様々な特集を組み、テロへの厳戒態勢が取られる中、首都ワシントンやニューヨークを訪問し、人々の考え方や社会の雰囲気に直接、触れることができたのは、参加者にとって大きな収穫であったろう。
 現場に身を置かなければ分からないことは多い。そんなことを考えさせられる旅でもあった。テロに関する警告が発せられていたが、庶民や観光客の動きは普段とあまり変わりはない。少なくともそう見える。この10年間、アメリカ本土へのテロ攻撃を防いできたという自信のせいか、それとも、普通に生活することが大事であり、それこそがテロ対策となるという考えのせいか――。日本では得られない知識を得て、日本では思いつかないことを考える。それも海外フィールドワークの効用であろう。
 今回の訪問では、多くの方々にお世話になった。おかげ様で、学生たちは多くを学ぶことができ、それぞれの世界が広がったと確信している。ご厚意に感謝するのみである。
(小池)

プロフィール


小池洋次
研究分野のキーワード 政策形成過程論、アメリカ政策研究、メディア論 研究内容 政策に関する諸問題を国際的視点から分析、研究しています。担当教員の経験(日本経済新聞社でのマクロ経済政策=財...

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