フィリピンフィールドワークに行ってきました!

私たち小西ゼミ6名は、2013年3月5日~10日にフィリピンを訪れ、5日間のフィールドワークを実施しました。2012年11月に参加者の募集があり、同年12月からフィールドワークにて実施するプロジェクト準備を開始しました。今回のフィールドワーク実施は、私たち学生だけの力では到底なしえないものでした。実施にあたって、多くの方々より温かいご協力を賜りました。本ブログでは、皆さまへの感謝と共に私たちの活動のご報告をさせていただきたいと考えております。以下、フィールドワークにおける私たちのフィリピン訪問日程と活動内容を記載させていただきます。

アテネオ大学訪問、マニラ防災研究所所長との懇談

▼実施場所
フィリピン アテネオ大学 防災研究所
Ateneo de Manila University HP: http://admu.edu.ph/
参考 マニラ気象観測所 The Manila Observatory HP: http://www.observatory.ph/

▼参加してくださった現地の関係者の方々
トニーさん(フィリピンのアテネオ大学にある防災研究所のトップの方)、
グレイスさん、デヴィさん(大学研究スタッフ、教員の方々)

日本もフィリピンも、自然災害の多い国です。フィリピンの防災の専門家の方々に、日本の進んだ防災対策を紹介するために、日本での防災普及のための取り組みについてプレゼンテーションを行い、また現在のフィリピンでの災害対策に関してディスカッションを行いました。

▼目的
同じ災害大国として、日本で行われている防災教育について紹介し、フィリピンにおいて防災への取り組みを普及させる。

▼日本においての準備段階
私たちは、フィリピンにあるアテネオ大学の付属高校において防災教育を行うために、日本で「カエルキャラバン」というNPOが主催している防災イベントに参加しました。そこで、防災について学んだり、また被災者の方々の話をお聞きしたりしました。
そこで得た経験をもとに、クイズを含んだプレゼンテーションを作成し、また、クイズやディスカッション議題を作成しました。

▼実施内容
①学校紹介
 プレゼンテーションを作成し、日本のどこにある大学から来たかを紹介しました。
②高校生向けに作成した防災教育のプレゼンテーションの紹介
予定が変更となり、現地の専門家の方々に準備したプレゼンテーションやクイズの紹介を行いました。そして内容についての意見をいただきました。
③アテネオ大学内見学
 アテネオ大学の副学長の方に、アテネオ大学の中や、大学生団体の活動を紹介して頂きました。

小西先生 フィールドワーク 002

▼学んだこと
この度、フィリピンの名門大学であるアテネオ大学を訪問し、フィリピンの防災の専門家の方々と意見交換をさせていただいて、多くの事を学ばせて頂きました。特に強く印象に残ったことを以下のような内容です。

・フィリピンでは私たちが考えている以上に防災教育が進んでいた。
 -各コミュニティには避難所が確立されていて、街ごとの対策もある。
・台風のシグナルはすぐにキャッチ出来るが、サイクロンはすぐに観測することが出来な      
 い。
・フィリピンの北部は地震もあるが、南部は洪水が主な災害である。
・自然災害がフィリピンの経済発展を遅らせている大きな要因の一つであること。
・防災の技術はあるが、それを伝達させることが出来ていない。
・その防災の技術の伝達を行なってくれる組織を探しているところである。

以上のような学びを得て私たちが感じたことは、日本の防災対策や技術は発達しているが、それをより効果的に他国に伝えるためには、日本で行われている防災対策やあ防災教育の内容をそのままフィリピンで行うのではなく、フィリピンの生活環境や災害、国民性などの状況に合わせて行わなければならないということです。
次に行う際は、今回学んだことを生かし、もっとフィリピンの状況に沿った教育内容を検討し、実施したいと感じました。

アジア開発銀行マニラ本省及び副総裁訪問

▼内容
アジア開発銀行(略称ADB)<http://www.adb.org/>を訪問しました。ADBは、唯一日本人がトップを務める国際機関です。職員数においても日本人が最も多く、たくさんの日本人の方々が活躍しておられます。ADB前総裁の黒田東彦氏が日本銀行の総裁に就任されたことで、ADBを知った方もおられるのではないでしょうか。今回は、副総裁であRajat M. Nag氏と昼食をご一緒させて頂きました。Rajat M. Nag氏はADBのManaging Director Generalで組織のトップである総裁の右腕として国際機関の運営、政策決定をされている方です。実際に最前線でさまざまな経験を積まれ、日本や日本人についてもよくご存じであり、私たちにとってたいへん貴重な時間となりました。私たちの拙い英語にも耳を傾けて下さり、私たちも疑問と思っていることを素直にお聞きすることが出来ました。その質問の中からいくつか紹介させて頂きます。

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① 私は、途上国の教育において特に女性の教育が重要であると考えています。女性の教育を広めていくために、現在政府が取り組んでいることはあるのでしょうか。
→ネパールで女の子の教育を推進する活動をしています。そこで、女の子のための学校を作ろうとしていたが、現地の人は「水」を最も必要としていました。そこの女の子たちは毎日何キロも歩いて水を汲みに行っていたのです。よってまずは、学校ではなく水へのアクセスを改善するべきであると考えます。

② カトリックであるフィリピンでファミリープランニングを普及させることは困難なのでしょうか。
→困難です。人口増加を緩やかにするために、持続可能な支援方法は女性への教育です。教育を受けることによって女性は子どもを持つことに慎重になるからです。

③ 日本人の良さ、また課題は何であるとお考えですか。
→日本に行くとみんなとても親切にしてくれます。しかし、少し親切過ぎるところがあるのも事実です。歴史を認め前進すること、そして自分の考えを自分の言葉でしっかりと表現することが重要です。

④ 私は最近、マザーテレサの本を読みました。そして幸せに対する考え方が変わりました。経済成長してお金持ちになるより人に対して愛を持って接することが大切だと学びました。経済成長と幸せについてどのようにお考えですか。
→愛を持って接することは人によりけりで、経済成長をもってしてもできるのではないだろうかと私は考えます。マズローの欲求階層で最低限のところさえクリアして生活できるのであれば問題ないと思います。

⑤ 私は大学でスペイン語を学んでいます。しかし、スペインでは経済危機が進んでいます。そのような状況の中でスペイン語の需要はあるのでしょうか。
→2040年から2050年頃に世界で話されている言語を見ると、スペイン語を話す人種が最も多くなります。(また、アメリカにおいては2050年までにスペイン語人口が最多の国になると言われています。)最近は中国語のニーズが目立ちますが、スペイン語を習得することは良いことであると思います。

⑥ これからの将来の自分のキャリアについて考えた際に、選択しなければならない場面が多々あると思います。どちらも正しく、どちらを選択するべきか迷った時は何を一番に考えて選ぶべきですか。
→若い時は自分にとってよりリスキーなほうを選択します。人をまとめる立場にある時は反対にリスクが少ない方を選びます。

以上が、私たちが質問させて頂いた内容の一部です。ADBの副総裁という普通では絶対にお会いできないような方とお話させて頂くことができ、貴重な経験となりました。開発途上国についてのことだけではなく、私たちの生き方についても学ぶことが出来ました。先に述べたように、ADBの総裁は日本人の方が務めています。このことからも分かるように、日本がアジアに与える影響は大きいと感じました。私たちも自分の努力次第で、このような世界で働くことが出来るのだと思いました。

ストリートチルドレンへの教育支援活動

▼訪問団体
CHILDHOPE ASIA PHILIPPINES(ストリートチルドレンを支援している国際NGO)
http://www.childhope.org.ph/

▼内容
CHILDHOPE ASIA PHILIPPINESの概要

まず、本部でスタッフから、フィリピンのストリートチルドレンの現状やCHILDHOPEの活動内容に関して詳細を伺い、意見交換をしました。
その後、Luneta Parkという公園に移動をし、ストリートチルドレンとの交流の時間をいただきました。ストリートチルドレンは、日中働かないといけないため、きちんとした教育を受ける事ができず、夕方から公園に集まり、ストリートチルドレンの指導を行うStreet Educatorという専門家から、様々な教育を受けています。そんな中で私たちは、日本文化を通してストリートチルドレンの運動能力の向上を図りました。日本文化の中でも忍者を題材にし、忍者の修業を模倣したアクティビティを実施しました。また、メンバーのうち2名が実際に忍者の恰好をし、忍者はどのような外見の人々なのかを認識してもらいました。フィリピンでは、日本の忍者アニメNARUTOが大変人気であり、そのため忍者は、ほとんどすべての子供たちに認識され喜ばれました。私たちは、このプロジェクトをすることにより、ストリートチルドレンの運動能力の向上だけでなく、日本文化をフィリピンの子供たちに伝え、フィリピンと日本の友情を深めること期待しました。

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① 文化紹介
日本という国を知ってもらうために、大きく印刷した写真を用いて、日本の四季、行事、アニメを紹介しました。そして、忍者の衣装を着たメンバーが忍者ショーを披露し、忍者とは何かを紹介しました。子どもたちは、誰もが忍者を知っており大変喜んでくれました。

② 体育プロジェクト
忍者という日本文化を通して、子どもたちが楽しみながら運動能力を向上させることを目指し、カンカン竹馬、けんけんぱ、大繩、手裏剣を用いた的当てを行いました。

③ ダンス
私たちでアレンジしたソーラン節を披露し、その後、子どもたちに教えながら踊りました。またフィリピンでは有名なおちょおちょダンスを子どもたち、先生と一緒に踊りました。

ストリートチルドレンは、日中働かなければならないので、CHILDHOPEによって夕方から公園で行われる授業が唯一の教育の場所でした。そのような短い時間で十分な教育を行うことは大変困難です。教育をしっかりと受けるべき子供たちが働かなければいけない状況は、すぐにでも改善されなければならない事であると感じました。子どもが日中働かないと暮らしていけない、私たち日本人に比べたら悲惨な状況で生きている彼らは、そのような状況にも関わらず、元気いっぱいで私たちの授業を受けてくれました。ストリートチルドレンたちが一日でも早く、十分な教育が受けられるような状況になるように、私たちも継続的な支援を行いたいです。

TONDO DUMPSITE(かつてスモーキーマウンテンと呼ばれたゴミ山)

TNK(ゴミ山にすむ子供たちを支援しているフランスのNGO)を訪問し、日本文化を通して、運動能力の向上を目指すことを目的に、体育プロジェクトを実施しました。

▼ゴミ山で実施した内容
①異文化紹介
日本という国を知ってもらうために、大きく印刷した写真を用いて、日本の四季、行事、アニメを紹介しました。そして、忍者の衣装を着たメンバーが忍者ショーを披露し、忍者とは何かを紹介しました。

②体育プロジェクト
忍者という日本文化を通して、子どもたちが楽しみながら運動能力を向上させることを目指し、カンカン竹馬、けんけんぱ、大繩、手裏剣を用いた的当てを行いました。

③ダンス
私たちでアレンジしたソーラン節を披露し、その後、子どもたちに教えながら踊りました。またフィリピンでは有名なオチョオチョダンスを子どもたち、先生と一緒に踊りました。

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▼日本で準備したこと
各アクティビティーの準備(大縄跳び、的あて、カンカン竹馬など)、ソーラン節の練習、文化紹介のツールを作成しました。スモーキーマウンテンの特徴として、年々子どもの数が増加し、人数・年齢が確かでないことが挙げられます。そこで年少と年長のどちらも楽しめるよう、難易度を変えるなどの工夫をしました。

▼ゴミ山を訪問し学んだこと
フィリピンの経済発展とともに、首都マニラでは、巨大モールが毎年建設されているにも関わらず、スモーキーマウンテンの状況は、昨年と比べ改善されていませんでした。TNKが支援する子どもたちが通う学校の周りは、ごみに囲まれ足の踏み場もなく、辺りには煙が発生し、悪臭が漂っていました。子どもたちの数も年々増えているそうですが、TNKの先生、ソーシャルワーカー、ボランティアスタッフによって、子どもたちが規律を守るようにしっかり指導されていました。
しかし、裸足の子がいまだに多く、汚れた服を身にまとい、年齢と比べ体が小さい子どもが多いというのが現状です。TNKが活動している地区は、ゴミ山の中でも奥深く非常に悪環境の場所のため、他の支援者やビジターも訪れることがないそうです。先輩たちから続いている活動も私たちで4年目になり、TNKスタッフやそこで暮らす子どもたちは、私たちの訪問を心待ちにしてくれているそうです。この子どもたちの笑顔のためにも、私たちにできることを今後も継続して、支援し続ける必要があると感じました。国際理解教育を通して、ゴミ山で出会った子ども達の様子を、日本の子ども達に伝える活動をしていきたいと考えています。

Paco Market 

▼パコマーケットの概要
以前はゴミで埋め尽くされていた地域でしたが、フィリピン大統領から任命を受けた開発担当者がマーケットを活用した持続可能な商業活動を始めました。ここではゴミを再利用しバッグにする活動や、マーケットを活性化させるために管理者が外部からゲストを招きダンスや劇など多くのイベントを開催しています。
また、この開発プロジェクトはCNNでも取り上げられています。
(YouTubeのリンク2013年4月5日現在)

▼目的
 マーケットの建設、および付近を流れる川の現状を調査。今後の支援につなげる狙い

▼内容
① マーケットの視察と現状の把握
パコマーケット開発プロジェクトのリーダーやスタッフとのディスカッションをし、さらにパコマーケットの置かれている現状を調査しました。

② 付近を流れる川の調査
パコマーケット付近を流れる川は汚染されており、そこでの現状を調査しました。

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③ 子供たちによる楽器の演奏
パコマーケットの子たちがリコーダーの演奏を披露してくれました。彼らは限られた教育しか受けることができず、ここでの様々なイベントから学ぶ機会を得ています。しかし、たとえ音楽の才能があったとしても、楽器が全く足りていないという現状があります。

▼学んだこと
マーケットに出店できている人は運がいいほうで、需要に対して供給が追い付いていない現状があります。また、違法にお店を出店している人たちが多くいました。パコマーケットに住む子供たちはたくさんいるが、その中で学校に通えている子供はほんの少しです。マーケットの中にある広場で独自のカリキュラムに沿って音楽や体育の授業をおこなっています。
2007年に川の開発が始まるまでは川はゴミであふれていて、子供がごみの上を走って川の向こう岸まで渡れるほどだったそうです。今ではある程度清掃され、見た目はきれいになりました。しかしそれは見た目だけで、実際の水はまだ汚いのが現状です。水のろ過装置を浮島に見立てて川に8個設置し、浄化していました。
また、一定の間隔で網を使い川の浮遊物を除去している人がいました。彼らはRiver Warriorsといい、1か月120ドルの給料で生活しています。目標は、川に魚が住むことができるようになるまできれいにすることです。日本とフィリピンは技術力が違うと開発の担当者がおっしゃっていましたが、何か日本の技術力を提供できないかと感じました。

以上、2013年3月のフィリピンフィールドワーク活動内容をご報告させていただきました。私たちは、今回の訪問を通して現地の状況を知り、継続的な支援の必要性を痛感しました。貧しい中でもキラキラした笑顔で生活する子どもたちや、必死で現状を変えようとするスタッフの方々の姿に、私たちに出来ることはある、と感じたのです。私たちの経験をより多くの方々に伝える国際理解の派遣教育活動や、必要物資の収集は学生の私たちにも可能です。今後も、小西ゼミ内の組織であるBridge for the Children, KGUを通して、現地のニーズに合わせて私たちに出来ることを考えながら、活動を継続していきたいと考えております。
最後に、末筆ではございますが、今回のフィリピンフィールドワーク実施にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
今後も私たちの活動に、温かいご協力をよろしくお願いたします。

私たちの活動に関する情報は以下のサイトにもございます。
併せてご覧ください。

小西尚実研究室(ゼミ所属学生による活動報告ブログ):http://kg-sps.jp/blogs/konishi/
小西ゼミHP:http://bridge-kgu.sakura.ne.jp/knack/

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2013/4/29 14:00

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NAOMI KONISHI
研究分野のキーワード 国際協力、国際人的資源管理、キャリア開発、ダイバーシティ&インクルージョン政策 研究内容 私は着任前、国内の外資系企業及び国際機関にて、組織の人事政策や人材戦略に基づく...

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