Today’s Tsubuyaki~voices of Japanese students~

小西ゼミブログ(北方領土に関して)

こんにちは、今回Today’s Tsubuyakiを担当させて頂きます、3回生 安井友哉です。本来ならば毎週火曜日にブログへ載せるはずなのですが、遅れてしまいました。この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

さて今回私が選んだテーマは「北方領土」です。

北方領土問題は戦後からおよそ60年間今だに未解決の問題です。ここ最近、安倍首相、プーチン大統領が、このように長い間平和条約が結ばれず北方領土問題が解決されないとは“異常”であるとし、解決の道を再び探り出しました。問題が始まって以来長い年月がたち、今や日本人の多くが北方領土に関心を示さなくなっています。特に学生などはその対象にあたるのではないでしょうか。そこで今一度、北方領土問題とはなんぞや、どうして解決しないのか?と少しでも興味を持ってもらうため、他国からの視点も交えてこの場をお借りして書かせていただきます。

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北方領土問題を考える場合まず歴史的視点から見る必要があります。“過去の条約”と照らし合わせて見ると分かりやすいので、それぞれを簡単にみていきましょう。

1855年 日露通好条約 択捉島から南は日本の領土、それより北はロシア領土とする。この条約で初めて領土が定められる。

1

1875年 千島・樺太交換条約 千島列島は日本領土、樺太はロシア領土と決められる。

2

1905年 ポーツマス条約 日露戦争後結ばれた。南樺太が日本の領土となる。これで日本は千島列島及び南樺太の主権を獲得。

3

1941年 日ソ中立条約 両国の領土保全、不可侵を尊重し合う義務。

1945年 ヤルタ協定(密約により国際法的には効力なし) 米英ソの密約。この際ソ連は日ソ中立条約を放棄し、連合国の一員として日本との戦争に参加。参戦すれば、千島列島と樺太をソ連領土とするという内容。

1951年 サンフランシスコ平和条約(ソ連は結んでいない) 日本敗戦後に結ばれた条約。日本は千島列島及び南樺太の主権を放棄。

1956年 日ソ共同宣言 日本とソ連の国交回復、平和条約を結べば歯舞と色丹の二島返還を約束。(日本はまだロシアと平和条約は結んでいない。よって現在ロシアと日本の関係は戦争中となっており、二島も返還されていない。)

現在にいたる

外務省HP http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/2013/5/13

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これらが主な歴史の変遷です。一見北方領土である歯舞、色丹、国後、択捉の四島が条約の内容に入ってこず(最後の日ソ共同宣言だけ)、どのように北方領土が関わってくるのでしょう。それは一言でいうと“千島列島の範囲の相違”

日本の千島列島とは、択捉島より上の領土、つまりウルップ島以上の島を指し北方領土は含みません、それに対しロシアのそれとは、北方領土も含んだ島を合わせて千島列島としています。つまり日本は千島列島に北方領土を含まない、ロシアは含む。

というように過去の双方の意見の食い違いが今の現代まで続く論点となっています。例えばこの食い違いにより生じる主な論争の一つに「ヤルタ協定」と「サンフランシスコ平和条約」があげられます。ヤルタ協定では、千島列島はソ連のもの。平和条約では、日本は千島列島を放棄。そのため、ロシア側は「あの頃千島列島は自国の領土となったのになぜ日本はその一部を日本の領土だと主張するのだろう」日本側は「確かに千島列島はロシアの領土になってしまう流れではあったが、なぜ千島列島に含まれていない北方四島までロシア領土なのだろう」という意見が生じるのです。この内容は今更どうあがいても双方訂正することのできない部分なので、この話題を議論の中心に据えてきた話し合いは解決には繋がらないでしょう。

では諸外国の意見はどうでしょう、北方四島は果たしてどちらの領土ととらえているのでしょうか。

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〈諸外国の意見〉

[日本]

日本の固有の領土であり、国際法上きちんと日本の領土といえる立場にある。ソ連に侵略されたと主張。主に、ポーツマス条約、ヤルタ協定、サンフランシスコ、日ソ共同声明を基に主張。

高橋和夫『日本と世界の領土問題』日本文芸社 2011

[ロシア]

ヤルタ協定で米とイギリスから承認されたのでロシアの領土と主張。日本は第二次世界大戦の結果を無力化しようとしている。それの代表的表現で中国、韓国、ロシアとの領土問題で強硬立場をとっている。

GazetaNews: http://en.gazeta.ru/2013/5/13

[韓国]

現在日本内には敗戦以前の拡張した地域を‘領土回復’した方がいいと言う主張も提起されている。さらにロシアの専門家サルツキは最近軍事力強化など右翼化動きを見せ周りの国との領土問題を先鋭化する日本を強く批判。

YonhapNews:http://www.yonhapnews.co.kr/2013/5/13

[中国]

日本はロシアだけでなく韓国とも領土問題を抱えている。領土問題を取り上げることで、日本は戦後のファシズムに勝ったこととアジア太平洋地域の戦後状態に異議を唱えている。

ChinaNews:http://www.chinanews-jp.com/2013/4/13

[ドイツ]

日本は敗戦したのだから口出ししないほうがよい。しかも日本はロシアから資源を輸入しているのに・・・。

GermanNews:http//www.zeit.de/politik/ausland/2013/4/13

[主にヨーロッパ]

日本がクレームをつけているだけ。外国はロシア領だ。

EuroNews: http://www.euronews.com/2013/5/13

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このように諸外国の多くが日本の領土ではないと指摘しています。実際に諸外国の世界地図を見ても、北方領土はロシア領として色分けされている場合があります。しかし、このように主張している諸外国のメディアはそれほど多くはありません、実際は大多数が北方領土という事象があると伝えるだけで、興味をあまり示していないのです。

では日本の主張は独りよがりなのでしょうか。私はそうは思いません。というのも歴史をたどると国際法的視点から日本の領土だと言えるからです。というのも日本が千島列島を放棄した平和条約ではロシアは締結していませんし、さらにヤルタ協定は密約なので効力はないのですから。ですが、実際に現在その北方領土にはロシア人が住んでおり、ロシアは特に択捉島、国後島に多額の資金を投入しインフラ開発などを進めています。このようにロシアが実効支配している状態で今日日本の領土だと胸をはって主張できるのでしょうか・・・いやできないでしょう。

このように過去から現在まで解決しえない理由や状況は多く上げられます。最後に私が考察する3つの主な理由を取り上げます。

「歴史に目をつむっていては、解決しない」と言われますが、歴史ばかりに目をやりすぎ、不確かな情報を根拠に議論していたこと。またお互いの都合のいいように、意見を何度も変える(特に日本側)、つまり長期的に解決策を練る事が出来ないのです。例えば日本の首相は何度も変わっています。その度に領土問題の意見も変わってくるので、解決しようと思ってもまた別の解決法を考える必要があるなど、一貫した議論を交わすことができなかったのです。

さらに日本は他国に影響されやすい。今回の北方領土問題に関しても、ロシアとの関係だけではありません。実はアメリカが日本とソ連(社会主義)を繋げたくないとし、日ソの国交正常化の妨害をする為に返還問題を利用し国同士の中をこじれさせた。など、歴史を振り返っても弱腰外交といわれるように、どこか諸外国の外交の駆け引きに利用されるようなことがあります。

そして次に、一つの行動は周りの国の、その国に対しての出方に影響を与えるということです。今尖閣諸島、竹島問題が騒がれていますが、これも北方領土の解決の仕方によっては、中国、韓国の出方が大きく変わってくるでしょう。日本がもし北方領土問題でロシアの要求を容易に呑むようなことがあれば、中、韓もそれ相応の対応を迫ってくるように思えます。よって、迂闊に妥協したりすることはできないのが事実です。

一つの問題に様々な課題が付随しています。北方領土もその一つ例であり、私たちが普段考えている課題は氷山の一角なのかもしれません。今回はなるべく日本ロシアとどちらの主張にも偏らないように、そして情報を分析したうえでどうして解決しえないかを考えました。

情報提供に協力して下さった、国際情報分析の同チームメンバーに深く感謝いたします。

主な参考文献

〈参考文献 日本〉

・高橋和夫『日本と世界の領土問題』日本文芸社 2011

・浅野一弘 『民主党政権下の日本政治』同文館 2011

・和田春樹 『北方領土問題』朝日選書 2012

・和田春樹 『北方領土問題を考える』 岩波書店 1990

・松竹伸幸 『これならわかる日本の領土紛争』大月書店 2011

〈参考文献 諸外国〉

・새로운 일본의 이해: http://terms.naver.com/2013/5/13

・연합뉴스: http://www.yonhapnews.co.kr/2013/5/13

・China News Service : http://www.chinanews-jp.com/2013/4/13

・Euronews : http://www.womens-forum.com/2013/5/13

・“Mount Allison Journal finder” http://55709.worldcat.org/openurlresolver/2013/5/13

・BBC 2013: http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific/2013/5/13

・GazetaNews: http://en.gazeta.ru 2013/5/13

<English Part>

Nice to meet you, I’m Tomoya Yasui. This time, I had our Column “Today’s Tsubuyaki. My theme is about “the Northern territories”. Russia calls them “Southern kurils”.

More than 60 years have passed since the World WarⅡ. However, the peace treaty between Japan and Russia has not concluded yet because there are northern territories. These days, the Russian President Putin and the Japanese Prime Minister Shinzo Abe said “That the peace treaty has not concluded yet is abnormal so we must try to solve the issue of northern territories.”

The Northern Territories consist of four islands located off the northeast coast of the Nemuro Peninsula of Hokkaido. They are Habomai, Shikotan, Kunashiri and Etorofu.

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At first, we need to see the history of the northern territories to understand it well.

Japan concluded three treaties which proved that the Kuril Islands belonged to the territory of Japan with Russia. These treaties are “Treaty of Saint Petersburg (1875)”, “Treaty of Portsmouth (1905)” and “Soviet Japanese Neutrality Pact (1941)” However, after the end of the World War,Russia broke these treaties and suddenly occupied the Kuril Islands, nevertheless, Japan accepted a surrender in the Potsdam Declaration(1945).

Japanese Ministry of Foreign Affairs HP

http://www.mofa.go.jp/region/europe/russia/territory/overview.html

2013 May 13

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Maybe you think what is Kuril Islands? Kuril Islands are related with Northern Territories. Russia says Kuril Islands include the Northern territories but Japan says does not include it.

Russia says that America and England promised if Russia participates in the World WarⅡagainst Japan, we give the Kuril Islands to Russia. This is “the Yalta Agreement (1945)”. In this treaty, Russia thought the Northern territories are ours. On the other hands, Japan thought the Northern territories are no relation. There is a difference in perception. This difference is a major cause of the dispute. If Kuril Islands includes the Northern territories, Russia can say Northern Territories are ours, but if not so, Japan can say these territories are ours. Such the following difference is seen in some disputes.

Then, how about the opinion of other countries?

In fact, most countries say the Northern territories belong to Russia. Actually, in each world maps of other countries, we can see the Northern territories which are classified by Russia’s color.

Then why do the foreign countries think the Northern territories belong to Russia? The reason why is that Russia governs the Northern territories now and is investing a large amount of fund to improve the infrastructure of the Northern territories. In this kind of situation, who will say the Northern territories belong to Japan?

From the past to the present, there are many causes which are not easy to solve. We know we cannot solve these problems in a previous way, so we must change the viewpoint to new concept.

<Japanese References>

・Kazuo Takahashi 『Territorial Problem around the world』Nihon Bungeisha, 2011

・Kazuhiro Asano 『Japanese government based on democratic party』Doubunkan, 2011

・Haruki Wada『The Problems of Northern Territories』Asahi Serection 2012

・Haruki Wada『Thinking of Nortern teritories』Iwanami Library 1990

・Yoshinobu Matutake『Japanese Territorial Problem』Ootuki library 2011

<Other countries’ References>

・새로운 일본의 이해: http://terms.naver.com/2013/5/13

・연합뉴스: http://www.yonhapnews.co.kr/2013/5/13

・China News Service : http://www.chinanews-jp.com/2013/4/13

・Euronews : http://www.womens-forum.com/2013/5/13

・“Mount Allison Journal finder” http://55709.worldcat.org/openurlresolver/2013/5/13

・BBC 2013: http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific/2013/5/13

・GazetaNews: http://en.gazeta.ru 2013/5/13

2013年度より小西尚実研究室ホームページが新しくなりました。新HPは下記リンクより閲覧可能です。

http://bridge-kgu.sakura.ne.jp/knack/

The new site of Prof. Naomi Konishi’s Seminar is here.Please check it out.

http://bridge-kgu.sakura.ne.jp/knack/

  • 投稿者:
  • 投稿日時:2013/5/16 3:08

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