イタリアの国立ナポリ東洋大学から学生20名と教官2名が、上ヶ原キャンパスのスポーツセンターに滞在されて、関学の学生と交流をもつことになっている。国立ナポリ東洋大学は、200年以上の歴史があり、ナポリ王国が存在したときには、その中心的な役割を担ってきたという。昨年の4月にも予定されていたのだが、震災で直前になってキャンセルになったということがあり、今回は、その復活版になる。今回、何人かの学生が対応に自主的におこなっていただき、うれしく思っている。交流が成功することを祈願している。現時点でユーロが円に対して安くなってしまっていることが気の毒である。
カナダの歴史の本に目を通している。木村和男先生による”カナダ史”山川出版社 である。その冒頭の内容を箇条書きに記す。
・カナダの名前の由来は、ヒューロン・イロクォワ族のことばで村落や集落を意味する ”カナタ”に由来する。
・カナダはフランス。アメリカ的要素を混在させた文化に立脚して高度な生活水準、治安の良さ、あらゆる民族への開放性を備えている。
・カナダの歴史は、アジアからの先住民の移住に始まり、フランス、イギリスの植民地時代を経て今日にいたる。
・フランス領時代のカナダは、不毛の地とみなされていた。
・イギリスが7年戦争に勝利した時にカリブとカナダのどちらかをとるかという論争がおきるくらい、カナダの経済価値は低かった。
・19世紀には大英帝国の忠実な長女へと評価を高めた
・国連平和維持軍の提唱国である
・多文化主義を国家政策として採用したので、香港から脱出した人々がカナダを移住先に選んだのは不思議でない。
カナダの現状は厳しい
・カナダ総面積の15%、人口の15%を占めるケベック州のフランス系カナダ人による分離・独立運動おきている。
・1992年のFTAによる圧倒的なアメリカ文化の流入がトロイの木馬というアメリカ巨大企業を城門内に入れた結果、カナダがアメリカの一部であるかのような錯覚を生みだしている。
・世界でもっとも豊かな国の分裂と解体を危惧するカナダ人は少なくない。
12日の木曜日に、総合政策学部の関係者のK氏を空港まで迎えに行って、研究室を案内することになった。K氏は教育関連の学会で来られるという。以下の動画は、本日の研究室の会合で研究計画を報告した様子を紹介する。米国、ブラジル、カナダ、コロンビア、韓国からの出身者がいる無国籍な研究室で、それぞれの視点から意見が出てきて興味深い。
Abnormal Weather
Relationships among temperature, precipitation, and fertilizer for major crop yield such as Maize, Rice, Soybean and Wheat
Climate conditions and Maize yield in Changchun, China based on survey 2011Sep to March
EOF on Arctic Sea Ice Extent
Arctic Sea Ice, Arctic Flow Event, Temperature, Precipitation and agricultural yield BC, Canada
|
|
左の動画は、今回、W先生から提供いただいた研究室と、エンジニアの方に来ていただいてLinuxのセットアップ、siri、サイモンフレーザー大学のK先生の研究室を訪問したときのもの。K先生は、昨夏から関学に集中講義にこられているという。総合政策学部のS先生とは長年の交流があるという。サイモンフレーザー大学の周辺は、いわゆるカナダらしい風景がひろがっており、近未来的な建物では、ハリウッドの映画の撮影もされているという。K先生は、この8月に関学大で集中講義をされるというので、ぜひサイモンフレーザー大学からの先生の集中講義を調べていただいて受講されてみることをお勧めする。もしかしたら、国際学部の学生しか受講できないかもしれないが、事務室に相談してみる価値はあるのではないかと思う。プリンストン大学で学位を取得され、欧米の大学では、テニアのポジションを取得するのは、大変な困難を伴うのだが、その大変な困難を突破されたK先生の雰囲気は、すごいものがあった。
滞在先と研究室の往復は、自転車での移動を開始したが、自転車で走りやすいルートとして以下の地図も公開されていて、日本でも参考になるのではないかと思う。
研究内容については、2本立てを考えていて、ひとつは北極域の海氷変動とArctic Flow Evetと気温と降水量の関係。もうひとつは、気温と降水量と農業生産ということで、それぞれ取り組んでいる。4月の上旬に日本では、前例がない春の嵐がふきあれたが、その原因として偏西風の蛇行現象、そしてその要因のひとつとして、北極域の海氷域の変動を指摘する方もおられて、そのあたりをなにかみつけることができればと思っている。
UBC Climate Prediction Group Department of Earth & Ocean Sciences Meeting April Agenda
The Purpose:Try to find the relationships among arctic flow event, snow cover extent, sea ice extent, temperature and precipitation taking into account following phenomena, Walker circulation, Pacific/North America oscillation (PNA), North Atlantic oscillation(NAO), Pacific decadal oscillation(PDO), North Pacific Index(NPI)
Methodology: linear regression analysis, EOF analysis, Non linear regression analysis
The comments from the meeting in September, 2011
Motivation: After our previous meeting, I mentioned you the possibility of using different nonlinear regression tools based on Artificial Intelligence to analyze your FAO data and try to improve your forecasts. One of the methods that can be used is Artificial Neural Networks. There are several software packages implemented in different programming languages (python, C++, Ruby, Matlab, R, Java) that you can use. Nevertheless, for simplicity I am including you the basic step that you need to implement them on Matlab, using a Graphical User Interface (GUI).
Data Sets already prepared
① Arctic flow event data provide by Dr. A, The university of Victoria, Enviromental Canada
② NORTHERN HEMISPHERE EASE-GRID WEEKLY SNOW COVER AND SEA ICE EXTENT VERSION 3 developed by National Snow and Ice Data Center, University of Colorado http://nsidc.org/data/nsidc-0046.html
③ Monthly temperature and precipitation datasets provided by Climate Research Unit
http://www.cru.uea.ac.uk/cru/data/
Monthly average temperature and precipitation datasets from January 1961 to December 2009 are obtained from the CRU and the program which can extract monthly temperature and precipitation at targeted point has written.
Procedures
DATA1:The time series of ice extent and sea ice extent data in each grid
DATA2:Occurrence of Arctic Flow event
DATA3:The time series of monthly temperature and precipitation data in each grid
Try to find the relationships among DATA1, DATA2, and DATA3
|
|
左の動画は、siriのやりとりを示したもの。以前から使っていた携帯電話が水につかって壊れ、その後継として購入したアンドロイドが動作不良でこわれて、しばらく昔ながらの携帯を使っていたが、今回、SIMフリーのアップル社のI-Phone4sを入手した。SIMフリーながら、全世界でアップルケアを受けることができるという製品で、残念ながら日本国内では発売されていない。siriという受け答えができるシステムは、メディア情報学科のT先生がSIRI社の依頼をうけて開発し、納品されたという話を聞いているが、そのSIRIの完成度の高さに驚いた。日本語は対応していないが、英語に関しては、ブリッティシュイングリッシュ、米国イングリッシュ等に対応していて、ブリティッシュイングリッシュを選択して使い始めている。目覚ましの設定は、一言でできるし、ありがとうと言えば、” Just doing job”と応えてくれる。忠実な召使が身近にできたという印象を受けなくもない。I-Cloudという仕掛けも、世界のどこでも情報を管理できるという点で先を行っていると思う。製品の仕上げの完成度もすごいと思うし、しばらくは、I-Phoneが売れ続けるのではないかと思う。
以下、首都大学東京のW先生から寄せられた情報と土木学会の環境システムの情報を紹介する。
「東日本大震災アーカイブ」の資料を地図とARで表示するiPhone / iPad用アプリ「eARthquake 311」に,朝日新聞社による「いま伝えたい千人の声」から抜粋した被災者証言を収録いたしました.すでに公開されているGoogle Earthバージョンとともに,東日本大震災で起こったことを深く知るために活用していただければと考えています.東日本大震災アーカイブARアプリ「eARthquake 311」は,App Storeから無料でダウンロードできます.「東日本大震災アーカイブ」で検索してください.
- iPhone用
http://itunes.apple.com/jp/app/earthquake-311/id486060583?mt=8
- iPad用
http://itunes.apple.com/jp/app/earthquake-311-hd/id486784514?mt=8
関東以北の沿岸地帯では,ARモードをもちいて,現在地から20km以内の証言と写真資料を閲覧することができます.添付のスクリーンショットは,本日お台場で撮影されたものです.マーカをタッチすると,浦安付近の液状化のようすをみることができます.
「東日本大震災アーカイブ」は今後も継続的に更新していく予定です.ご助力賜れれば幸いです.どうぞよろしくお願い致します.
————————————————————————
■【「第20回 地球環境シンポジウム」開催と発表論文・パネル展示の募集】
・主催:土木学会(担当:地球環境委員会)
・期日:2012年9月13日(木)、14日(金)
・場所:京都大学桂キャンパス
(京都市西京区京都大学桂)詳細は6月号または7月号会告を参照
・参加:事前申込制
講演集代(地球環境研究論文集、地球環境シンポジウム講演集の2冊)を含む参加費は、事前申し込みの場合で一般7000円、学生会員4000円、当日申し込みの場合で一般9000円、学生会員6000円を予定(6月号または7月号会告欄に詳細を掲載)
●全文審査論文(A論文)募集要項
1)募集課題
(1)地球温暖化等グローバルな環境問題
(2)安心安全・持続可能な社会づくり
(3)アジアの都市化と環境問題
2)募集論文
(1)申込方法および期限
地球環境委員会のホームページ:http://www.jsce.or.jp/committee/global/
上の電子投稿システムからPDFファイルで投稿してください。投稿は通年で受け付け、投稿日から3ヶ月以内にすべての審査プロセスを完了させます。2012年度のシンポジウムで発表するためには、4月20日(金)までに投稿してください。
(2)論文原稿の作成要領
A4判(2350字)で原則6ページ以内(日本語または英語)としますが、論文原稿の作成要領等の詳細はホームページ上に掲載しております。超過頁代,別刷代についてはホームページでご確認ください。
●アブストラクト審査論文(B論文)募集要項
1)募集課題:募集課題は、全文審査論文(A論文)と共通です。
2)募集論文:募集課題に関わる研究論文、情報資料・調査資料の報告、評論・論説などとします。アブストラクトは審査しますが、発表論文に対する査読は行いません。
3)発表申込方法とその後の手順
(1)申込方法
土木学会地球環境委員会ホームページ:http://www.jsce.or.jp/committee/global/
に掲載する所定のメールアドレスに発表申込を送付していただきます。
申込のメールに記述する項目は、(1)発表題目、(2)発表者氏名、(3)所属と連絡先(住所、電話、FAX、Email アドレス)、(4)アブストラクト(800字程度)、(5)希望の発表形態(ポスター発表か口頭発表か)、(6)発表の分野(地球温暖化、地球環境政策など、2~3のキーワード)です。
(2)申込期間
4月2日(月)-4月27日(金)17時までこの期間内に発送したメールを有効とします。
(3)版下原稿の作成
A4判(2350字)で6ページ以内(日本語または英語)としますが、詳細や提出期限は採否決定後に送付される原稿執筆要領をご覧ください。なお、提出する原稿は正・副あわせて3部とし、期限は7月13日(金)必着とします。
●パネル展示募集要領
1)募集課題:下記の課題に関するパネル展示を募集します。
(1)民間企業などの地球環境関連技術の紹介(技術展示)
(2)国や地方公共団体、NGO、教育機関などの地球環境調和や持続可能な社会形成などに関連した取組みや活動の紹介(一般展示)
2) 申込方法および期限
発表申込ページから申し込むことができます。Eメールの場合は、タイトルを「地球環境シンポジウム(パネル展示応募)」とし、展示題名、展示主体(団体名、企業名、個人名等)、連絡者氏名、連絡者の所属と連絡先(住所、電話、FAX、Eメールアドレス)、展示の概要(400字程度)、展示スペース(サイズ等)に対する要望、を記入のうえ、4月2日(月)-4月27日(金)の期間に、下記事務局担当者宛にお申込みください。
3) 展示の作製要領・期限
展示パネルの使用可能スペースについてはパネル展示応募者数が確定した後に決まりますが、例年縦200cm、横180cm 程度のボードをご利用いただいております。すでに作成済みの展示物を用いてのご発表も可能ですので、積極的にご応募いただきますようお願いします。
講演集に掲載する展示概要(A4判1枚)の執筆要領は、採否決定後に展示申込者に通知いたします。
■申込先および問合せ
土木学会地球環境委員会 事務局担当:佐藤
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目(外濠公園内)
TEL:03-3355-3559/FAX:03-5379-0125
・詳 細:http://www.jsce.or.jp/committee/global/
|
|
航空会社のラウンジは、飛行機によく乗る機会があると、ラウンジを無償で利用できるようになる。シャワーを浴びたり、あるいはタイだとマッサージを受けることができたりする。これらの写真を撮影した飛行機会社のラウンジは、あまり飛行機に乗らない方でもお金を払えば、利用できるようになっている。窓が広がっていて、ほぼ1分間隔くらいで、次から次へと飛行機が目の前を通り過ぎていく様子は、見ていてあきない。左の動画は、私が撮影した写真をまとめて動画にした様子を収録したものであるが、中国系の飛行機会社の割合が多いことに気が付く。また、そのデザインもあか抜けたものが多いように感じなくもない。経済発展が著しい中国の国力を垣間見たような気がしなくもない。いっぽうで、プライベートジェットの通り過ぎる頻度が少ないことや、荷物便が少なくないことにも気が付く。
このところ、毎朝、起床後に以下の本に目を通している。統計は、もともとは、海外で発展したものだが、英語で書かれた統計の専門書に目を通すと、意外に見えてくるものがあるような気もしなくもない。この本は、統計をつかって、自然現象とかを読み解いていくための方法をまとめたもので大学の1年生レベルから読み進めることができるような内容となっているので、ぜひ購読されることをお勧めする。
http://www.cambridge.org/hsieh
冒頭からの一部抜粋
Machine learning metods began to infiltrate the environmental sciences in the 1990s. Today, thanks to their powerful nonliniear modelling capability, they are no longer an exotic fringes species, as their powerful nonliniear modelling capability, they are no longer an exotic fringe species, as they are helily used in satellite data processin, in general circulation models (GCM), in weather and climate prediction, air quality forecasting,m analysis and modelling of environmental data, ocianographic and hydrological forecasting, ecologcial modelling, and in the monitoring of snow, ice and foresets, etc.
某学会誌の特集号を取りまとめていて、日本、イタリア、カナダとそれぞれ連絡を取りながら進めている。以下にその概要と、すでに了解をいただいた先生の所属される機関、そして関連の情報を紹介する。
気候条件は大規模な風の向きとその強さによって決定される。気候変動の多くは、以下の5つのパターンの変化と考えられている。①テレコネクション、②エルニーニョ・南方振動(ENSO)、③太平洋・北米(Pacific/North America: PNA)パターン、④北太西洋振動(North Atlantic oscillation: NAO)、⑤太平洋十年規模振動(Pacifc decadal oscillation: PDO) とくに北極域における海氷域の変動と気候変動との関連に注目が集まっている。世界各国における気温、降水量の推移と、主要穀物の収量との関係を求める試みも行われている。本特集号は、これらの背景を踏まえて、執筆者+アルファの方にそれぞれの専門分野に関する最新の動向を述べていただき、それらの内容を総合的にまとめた内容を予定している。
北極域における海氷変動:国立極地研究所 北極センター T先生/ 北極域の海氷域変動とArctic Flow Event UBC先生 カナダ環境省 D先生/世界の気候変動と食糧生産 国連食糧農業機関K先生
また、その内容に関して、以下の研究会にも顔を出すことにしている。
参考情報:太田俊二、変化する気候と食料生産、コロナ社 p23からの抜粋
気候変動パターン
気候条件は大規模な風の向きとその強さによって決まる。気圧傾度にしたがって、高気圧から低気圧にむかい、距離が短いほど強くふく。20世紀に観測された気候変動の多くは、以下のパターンの変化とみなせる。
テレコネクション:気圧場のシーソーのような変動を示し、遠く離れて一見、関係がなさそうな地域どうしの関係のこと。シーソーのような関係は、東西の気圧変動で最初に発見されて、ウォーカー循環’( Walker circulation)と呼ばれている。
エルニーニョ・南方振動(ENSO):数年に1度の頻度で東部太平洋の海面水温が上昇する現象。活発な対流が生じている西部熱帯太平洋域が東へと移動するので、熱帯太平洋の低気圧が東へと移動して、貿易風が弱まる。太平洋の大気の東西の気圧変動を南方振動(Southern oscillation)という。
西部太平洋域で海面水温が高く、対流活動も強くなって、貿易風が強化される状況をラニーニャ
Ensoの暖かい位相(ウオーカー循環が弱まる)がエルニーニョ
Ensoの冷たい位相(ウオーカー循環が強まる)がラニーニャ
太平洋・北米(Pacific/North America: PNA)パターン
北太平洋のアリューシャン低気圧が深いときに、北米とカナダで高気圧と低気圧の偏差が正となり、北米東岸で負となるパターンである。対流圏の気圧偏差であるが、ENSOの強い影響を受け、エルニーニョのときにアリューシャン低気圧が発達してPNAは正となる。
北太西洋振動(North Atlantic oscillation: NAO)
冬季において、北大西洋のアイスランド低気圧と亜熱帯北大西洋のアゾレス高気圧との間のシーソー関係の変動を尺度として、両者の間の偏西風の強さに影響するパターンである。アゾレス高気圧が強い(NAOが正)と、大西洋中央部の上空の気圧が通常より高くなり、気圧傾度によって強い西風が温暖な空気と降水をヨーロッパ北部まで押し上げる。ここ数十年のNAOは正の値を取る傾向にあり、北欧の温暖化の原因のひとつである。
太平洋十年規模振動(Pacifc decadal oscillation: PDO)
北太平洋の海面水温の尺度である。アリューシャン低気圧の指数である北太平洋指数(North Pacific index: NPI)と非常に強い相関関係にある。
地球上の氷の種類
雪氷圏は、陸の氷(氷床、棚氷、氷河、氷帽)と海の氷
氷床:ice sheet :大陸規模の面積(5万平方キロメートル)で陸域に形成される氷
棚氷:ice shelf :氷床から張り出した氷であり、多くは湾岸地形に支えられている。
氷帽:ice cap :氷床よりも規模が小さく帽子のように見える比較的なだらかな地形に広がる氷
氷河:glacier :山岳地域の渓谷のような地形から滑り落ちるように凍っている
棚氷から溶け出して海にながれたものが氷山
海氷(sea ice) は、海水が凍ったものであるので、陸氷と区別する必要がある。氷の中に塩分は含まれないので、海氷が多い海域の海水の塩分濃度は相対的に高くなる。
地球上のもっとも大きな氷床は、南極氷床であり、13.5×10の6乗
2番目に大きいのがグリーンランド氷床(大規模な湾がないので、棚氷が存在しない)で1.7×10の6km
関連論文のサーベイ by Matsumura
経済発展や人口増加に伴い、世界的に食料需要が増加傾向にあり、安定的な食料供給が必要とされている。2009年時点において、世界全体で2500万トンの大豆が生産されており、直接消費は、その1割を占め、残りの7割は動物性蛋白質の供給源としての家畜飼料として利用されている。大豆は約3000年前から中国東部で栽培されており、1765年に北米大陸で最初の大豆が栽培されて以来、1970年までに世界の大豆生産量の75%をアメリカ合衆国が担うまでになった。大豆栽培面積が、1995年に小麦栽培面積より大きくなり、アメリカ合衆国、ブラジル、アルゼンチンが世界全体の輸出量の90%を担うまでになった。日本は、2000年までは、1年間に500万トンの大豆を輸入する最大の輸入国だった。中国では1995年までは、1年間に1300万トンの大豆を自給していたが、2009年までに、5500万トンの大豆を消費し、うち4400万トンを輸入に依存している(Lester 2009)。
Lester R. Brown., Earth Policy Release, 2009, Growing demand for soybeans threatens Amazon rainforest, In http://www.earthpolicy.org/index.php?/plan_b_updates/2009/update86.
2010年~2011年の中国のトウモロコシ輸入量は、3年前の25倍になり、中国がトウモロコシや大豆など穀物の輸入を、飼料用を中心に急拡大している。中国が2011年7月までにアメリカ合衆国で買い付けたトウモロコシの量が前年度の輸入実績の2倍以上となり、大豆も年間輸入量が過去最高となる見通しである(日本経済新聞 2011)。
日本経済新聞(電子版), 2011年8月27日, 中国、穀物輸入が急増 肉増産で飼料需要拡大.
人間は体温が一定に保たれているために気象条件の変化による成長や生理に対する変化は起きにくいが、農作物は気象の影響を強く受ける。気象条件と作物の単収の関係に関しては、これまで、様々な研究が行われてきた。浜地・吉田(1989)は、1966年~1980年のビール大麦の全生育期間の気象要因とビール大麦単収の関係式を求め、気温と降水量が単収と負の関係にあり、日照時間が単収と正の関係にあることを定量的に示し、栽培管理の情報提供を行った。
浜地勇次・ 吉田智彦, 1989, 暖地のビール大麦の収量と気象条件の関係の統計的解析, 日本作物学会紀事 Vol. 58, No. 1, pp. 1-6.
日本の代表的な生産物である水稲の単収と気象条件との関係に関する研究は、アメダス気象データ(気温、日射量、降水量)を用いた水稲に関する成長モデルが開発されている(Seino 1993)。
Seino, H., 1993, An Estimation of Distribution of Meteorological Elements using GIS and AMeDAS DATA, Journal of Agricultural Meteorology
Vol. 48, No. 4, pp. 379-383.
また、穀物の単収が、毎日の最高気温と最低気温の差(DTR)よりも平均気温によって説明されることを示した研究もある(David 2007)。
David B. Lobell., 2007, Changes in diurnal temperature range and national cereal yields, Agricultural and Forest Meteorology, Vol. 145, pp. 229–238.
一般に食料供給は、家畜用も含めて穀物に大きく依存している。世界各地における洪水や干ばつなどの気象条件の変化が、激しくなり、穀物の生産性が不安定になっている。気温にくらべて、降水量の場合は、国内の各産地レベルでの降水が明確でなく、雨が農作物に与える影響になると、土壌水分量が問題となり、気温上昇に伴う土壌水分の蒸発量の増加もあって、降水変化が作物に与える影響の推定は難しいとされている(杉浦2009)。
杉浦俊彦、温暖化が進むと「農業」「食料」はどうなるのか?、2009,技術評論社, p215
灌漑にたよらない天水農業への影響が問題になっていて、中国の天水農業による収穫量は2020年という近い将来に減少する可能性が指摘されている(Tao et al.,2003)。
Tao, F.,M.Yokozawa, Y.Hayashi, and E.Lin, 2003, Future climate change, the Agricultural water cycle, and agricultural production in China., Agriculture, Ecosystems and Environment, Vol. 95, pp145-147.
天候不順による不作発生年がまとめられている(農林水産省 2009)。それによると、世界同時不作(1972年)、米国大豆禁輸措置(1973年)、米国熱波(1980年)、中国・イランのコメの不作(1981年)、世界的なコメの豊作(1982年)、アメリカ合衆国大干ばつ(1988年)、日本の冷害によるコメの緊急輸入、米国大洪水(1993年)、アメリカ合衆国天候不順、フィリピン・タイ洪水(1995年)、世界のコメ生産量が史上最高(1999年)、アメリカ合衆国・カナダ・豪州同時不作(2002年)、アメリカ合衆国高温乾燥・中国同時不作、豪州大干ばつ(2006年)、欧州天候不順・豪州干ばつ(2007年)、世界的な小麦等の豊作(2008年)が発生しており、国際価格の乱高下が頻発している。
農林水産省、世界の農産物価格の動向、2009 http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pdf/kakaku.pdf
国際連合食糧農業機関(FAO)は、食料需給に関する早期警戒システム(GIEWS 2011)を構築している。台風、洪水、干ばつなどによる食料生産への影響を記したレポートの提供や、アフリカおよびアジア地域の植生指数を用いた衛星画像の提供、食料価格、食糧援助が必要とされている国の情報提供を行っている。
GIEWS 2010, Global Information and Early Warning System on Food and Agriculture, In http://www.fao.org /WAICENT/faoinfo/economic/giews/english/index.htm.
北極域からの冷たい風の影響による極低温状態の発生の時系列データを用いることによる果樹栽培への影響評価を定量的に求めた (Quamme et al.,2010)。
Quamme,H.A., Cannon, A. J.,Neilsen, D. , Caprio ,J. M., Taylor ,W. G. , 2010, The potential impact of climate change on the occurrence of winter freeze events in six fruit crops grown in the Okanagan Valley, CANADIAN JOURNAL OF PLANT SCIENCE, Vol. 90, pp.85-93.
|
|
梅の花がさきはじめ、木々のつぼみもふくらみつつある春は、入学、進級の時期としてふさわしい時期だとあらためて思う。これから大学に入学される方、進学される方に4年間を通じた過ごし方の計画を、海外旅行の予定も交えながら立てること、スポーツをじっくりと取り組むこと、新聞に定期的に目を通すことの3点に加えて、簡単なプログラムをつくることなどのチャレンジをお勧めする。
4年間をどのように過ごすのかについての予定を立ててみることをお勧めする。とくに、昨今は就職活動の長期化、早期化が懸念されており、企業としても、具体的にこのような人材が欲しいので、採用活動を行うといった形に意識が変わりつつあるように思う。1年生、2年生の時期をうまく使うことがなによりも、重要だと思う。本来であれば、3回生の夏休み、あるいは春休みは、充実させて過ごすことができればと思うのだが、就職活動のセミナー関連等が3回生の夏くらいから始まってしまうので、1,2回生のうちに、海外へ向かうなどの経験を積んでおくと、その経験が就職活動等に生かすことができると思う。あるいは、早い段階から、進学をすることを目標にすれば、就職活動を行うことなく、その時間を大学院への進学準備の時間に充てることができると思う。スポーツにチャレンジしてみるのも必要だと思う。まとまった時間が取れるので、その時間を使って新しいスポーツに取り組むことをお勧めしたい。新聞に目を通すことも考えてほしい。ちょうど日本経済新聞のキャンペーンが行われているので、以下のURLを参考にしてほしい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□電子版創刊2周年「日経スタートキャンペーン」で素敵な賞品を当てよう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日経電子版会員(有料・無料)になって、アンケートに答えると抽選で当たる!
3月末までに応募すれば、3回の抽選チャンス!(現会員も応募できます)
《3月のプレゼント賞品》
A賞:東芝「レグザ47ZG2」(タイムシフトマシン搭載テレビ)×3名様
B賞:ヤマハ「デジタル・サウンド・プロジェクター」
(ホームシアター用スピーカーシステム)×1名様
C賞:アイロボット「ルンバ760」(ロボット掃除機)×1名様
D賞:パナソニック「デイモイスチャー ナノケア」(スチーマー)×1名様
E賞:デンシバグッズセット(クリアファイル、ノート、ストラップ)×100名様
———————————————————————
▼ キャンペーンの詳細・ご応募はこちら
≫ http://mxt.nikkei.com/?4_763_225483_2
————————————————————————–
▼「日本経済新聞 電子版」有料会員へのお申し込みは
⇒ http://mxt.nikkei.com/?4_763_225483_3
▼「日本経済新聞 電子版」トップページ
⇒ http://www.nikkei.com/
▼「日本経済新聞 電子版」のお問い合わせ、よくあるご質問
⇒ http://faq.nikkei.com/EokpControl?site=default
最近は、いろいろなプログラムを身近にある機材で作れるようになっているので、最初のチャレンジとして、表計算ソフトに備わっているマクロコマンドをつかった計算にトライしてみてほしい。
たとえば、最初の第一段階として、左の動画は、表計算ソフトに備わっているマクロコマンドの作り方を紹介したもの。ぜひ、チャレンジしてほしいと思う。例として、最初に簡単な計算を行うシートをつくり、そのシートの2行2列目の数字を変えていき、変えたシートをコピーしてつくる手順を覚えさせる。すると、以下に示すようなマクロコマンドが構築される。
Sub Macro1()
‘
‘ Macro1 Macro
‘
‘
Range(”B2″).Select
ActiveCell.FormulaR1C1 = “1″
Range(”B2″).Select
Sheets(”Sheet1″).Select
Sheets(”Sheet1″).Copy Before:=Sheets(1)
ActiveCell.FormulaR1C1 = “2″
Range(”B3″).Select
Sheets(”Sheet1 (2)”).Select
Sheets(”Sheet1 (2)”).Copy Before:=Sheets(1)
Range(”B2″).Select
ActiveCell.FormulaR1C1 = “3″
Range(”B3″).Select
End Sub
次のステップとして、何度か同じことを繰り返すので、For コマンドと Cells コマンドを使うことで、同じことの繰り返しをプログラム化することができる。
For m = 1 To 3
Next m
End Sub
Cells(2, 2).Value = m ’2行2列目に並んでいる数値をmと定義するCells コマンド
最終的にできあがったプログラム
Sub Macro2()
For m = 1 To 3
Windows(”test20120329.xls”).Activate
Sheets(”sheet1″).Select
Range(”B2″).Select
Cells(2, 2).Value = m
Sheets(”sheet1″).Select
Sheets(”sheet1″).Copy Before:=Sheets(1)
Next m
End Sub
このプログラムをさらに発展させて形で、以下に示すようなデータ解析を行うことが可能になる。720×360の約25万個の点から構成される地点において、それぞれの条件設定に対応した計算を行っている。
主要穀物最大生産国単収と積算気温、積算降水量の関係
要旨
トウモロコシ(Maize)、大豆(Soybeans)の最大生産国であるアメリカ合衆国と小麦(Wheat)、コメ(Rice)の最大生産国である中国を対象とする。それぞれの主要穀物の生産量と単収に対する栽培期間の積算気温と積算降水量の影響を求めた。全球レベルのメッシュデータとして提供されている穀物毎の栽培地点と栽培歴情報、月平均気温、月降水量を用いて、トウモロコシ、大豆、小麦、コメの最大生産国における作付け開始から収穫終了までの積算気温と積算降水量の推移を栽培地点毎に求めた。小麦については、春小麦(Wheat)と冬小麦(Wheat)に分類した。主要穀物の栽培適温・降水量として以下の①~④の条件を設定した。①コメの栽培適温・降水量(栽培期間中)は2400-3500度日・600 mm以上、②春コムギの栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均15-18度C・400-600 mm、③冬コムギの栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均6-12度C・250-600 mm、④トウモロコシと大豆の栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均20-25度C・400-800 mm。主要穀物の栽培期間中の栽培適温・降水量条件から逸脱する栽培地点数(異常栽培地点数と定義)の推移をもとめた。栽培適温・降水量条件に基づく異常栽培地点数を説明変数とし、それぞれに対応する穀物単収と生産量を、被説明変数とする推計式を求めた。
エクセルマクロについては、以下のサイトの情報もよくできていると思う。
http://hiro19770324.tyonmage.com/
上述のマクロコマンドをさらに発展させた形が以下の構造になる。
Sub Macro4()
‘
‘ Macro4 Macro
‘Cells(行位置、列位置)
For m = 112 To 114
Windows(”output.xls”).Activate
Sheets(”area”).Select
Range(”B1″).Select
Cells(1, 2).Value = m
Application.Run “output.xls!aggregate2″
Sheets(”area”).Select
Range(”B1:B2″).Select
Selection.Copy
Sheets(”data”).Select
Range(”G1″).Select
ActiveSheet.Paste
Range(”G6″).Select
Sheets(”data”).Copy Before:=Sheets(1)
Next m
End Sub
|
|
3月23日付け日経新聞朝刊のトヨタ社長の記事が印象的だった。世界の車は上位5社が競う時代になり、ガソリン車に加えて電気自動車、ハイブリッド、ディーゼル車が競合状態にあるが、3年後に売れ筋がみえてくるという。このところ、ガソリン価格が急騰していて、近所のガソリンスタンドでレギュラーガソリンが160円を超えてしまった。ハイオクになると170円を軽くこえてしまっている。トヨタ社長のコメントの右下のところに、マツダが、来春採用予定数を今年の春の3分の1以下にするという。マツダは、ハイブリッドに注力するかわりに、内燃機関に注力しており、この春にCX-5という、メルセデスのように尿素などを使わないで、排ガス規制をクリアした車が、販売予定台数の1000台の8倍以上の受注が出ているという話がCARVIEWの記事で出ていたが、このところのガソリン価格の高騰を踏まえ、仮に円安が進行するなどすると、1リッターあたり、500円を越えてしまうようなことも可能性としてはないわけではないような気がしなくもない。リッターあたり10キロ走ってくれて、ガソリン代が100円前後であったときのことを考えると、リッターあたり20キロを走ってくれる車だと、ガソリン代の許容範囲としては、リッター200円くらいまでなら大丈夫だと思うのだが、これが500円になってしまうと、内燃機関の車の優位性は失われてしまうことになる。そうなると、電気代がなんとかなるという条件をクリアできれば、今後は、トヨタ自動車のプラグインハイブリッド車が主流になってしまうのかもしれない。近所周辺を買い物に出かけるだけだと、ガソリンを使わないですむので、電気代を別にすればリッターあたり200キロを超えている方もいるという。とくに、自動車を使わざるを得ない地域に住まわれている方にしてみれば、1日に子供の塾への送迎とか、御主人の駅への送迎とかで、少なくとも50キロは走ることになるので、仮にリッター5キロの車とすれば、170円かける10リッターとして1日にガソリン代が1700円×30日の5万円近い出費になってしまう。
3月19日に4回生のメンバーが学校を卒業した。集合写真のブログへのアップの了解をもらったので左側に紹介する。働き始めて、まず3年はひとつのところで過ごすようにしてほしい。数日後、1回生から4回生の総合政策学部の学生十数名が自宅にきて、BBQ+鍋の会合を社会人の友人も交えて交流会を企画した。総合政策学部の学生メンバーがそれぞれ、手土産をもってきてくれたので、企画がより盛り上がった。また、イタリアの国立ナポリ東洋大学の学生20数名と教官が関学に来られることになっているので、ぜひイタリア人との交流を深めてほしいと思う。
この2月、3月にかけて、いくつかの論文に目を通しながらデータを作りこんでいる。以下の文面は、サーベイした情報をまとめたもの。じっくりと論文に目を通す癖も学生時代につけてほしいと思う。
経済発展や人口増加に伴い、世界的に食料需要が増加傾向にあり、安定的な食料供給が必要とされている。2009年時点において、世界全体で2500万トンの大豆が生産されており、直接消費は、その1割を占め、残りの7割は動物性蛋白質の供給源としての家畜飼料として利用されている。大豆は約3000年前から中国東部で栽培されており、1765年に北米大陸で最初の大豆が栽培されて以来、1970年までに世界の大豆生産量の75%をアメリカ合衆国が担うまでになった。大豆栽培面積が、1995年に小麦栽培面積より大きくなり、アメリカ合衆国、ブラジル、アルゼンチンが世界全体の輸出量の90%を担うまでになった。日本は、2000年までは、1年間に500万トンの大豆を輸入する最大の輸入国だった。中国では1995年までは、1年間に1300万トンの大豆を自給していたが、2009年までに、5500万トンの大豆を消費し、うち4400万トンを輸入に依存している(Lester 2009)。
Lester R. Brown., Earth Policy Release, 2009, Growing demand for soybeans threatens Amazon rainforest, In http://www.earthpolicy.org/index.php?/plan_b_updates/2009/update86.
2010年~2011年の中国のトウモロコシ輸入量は、3年前の25倍になり、中国がトウモロコシや大豆など穀物の輸入を、飼料用を中心に急拡大している。中国が2011年7月までにアメリカ合衆国で買い付けたトウモロコシの量が前年度の輸入実績の2倍以上となり、大豆も年間輸入量が過去最高となる見通しである(日本経済新聞 2011)。
日本経済新聞(電子版), 2011年8月27日, 中国、穀物輸入が急増 肉増産で飼料需要拡大.
人間は体温が一定に保たれているために気象条件の変化による成長や生理に対する変化は起きにくいが、農作物は気象の影響を強く受ける。気象条件と作物の単収の関係に関しては、これまで、様々な研究が行われてきた。浜地・吉田(1989)は、1966年~1980年のビール大麦の全生育期間の気象要因とビール大麦単収の関係式を求め、気温と降水量が単収と負の関係にあり、日照時間が単収と正の関係にあることを定量的に示し、栽培管理の情報提供を行った。
浜地勇次・ 吉田智彦, 1989, 暖地のビール大麦の収量と気象条件の関係の統計的解析, 日本作物学会紀事 Vol. 58, No. 1, pp. 1-6.
日本の代表的な生産物である水稲の単収と気象条件との関係に関する研究は、アメダス気象データ(気温、日射量、降水量)を用いた水稲に関する成長モデルが開発されている(Seino 1993)。
Seino, H., 1993, An Estimation of Distribution of Meteorological Elements using GIS and AMeDAS DATA, Journal of Agricultural Meteorology
Vol. 48, No. 4, pp. 379-383.
また、穀物の単収が、毎日の最高気温と最低気温の差(DTR)よりも平均気温によって説明されることを示した研究もある(David 2007)。
David B. Lobell., 2007, Changes in diurnal temperature range and national cereal yields, Agricultural and Forest Meteorology, Vol. 145, pp. 229–238.
一般に食料供給は、家畜用も含めて穀物に大きく依存している。世界各地における洪水や干ばつなどの気象条件の変化が、激しくなり、穀物の生産性が不安定になっている。気温にくらべて、降水量の場合は、国内の各産地レベルでの降水が明確でなく、雨が農作物に与える影響になると、土壌水分量が問題となり、気温上昇に伴う土壌水分の蒸発量の増加もあって、降水変化が作物に与える影響の推定は難しいとされている(杉浦2009)。
杉浦俊彦、温暖化が進むと「農業」「食料」はどうなるのか?、2009,技術評論社, p215
灌漑にたよらない天水農業への影響が問題になっていて、中国の天水農業による収穫量は2020年という近い将来に減少する可能性が指摘されている(Tao et al.,2003)。
Tao, F.,M.Yokozawa, Y.Hayashi, and E.Lin, 2003, Future climate change, the Agricultural water cycle, and agricultural production in China., Agriculture, Ecosystems and Environment, Vol. 95, pp145-147.
天候不順による不作発生年がまとめられている(農林水産省 2009)。それによると、世界同時不作(1972年)、米国大豆禁輸措置(1973年)、米国熱波(1980年)、中国・イランのコメの不作(1981年)、世界的なコメの豊作(1982年)、アメリカ合衆国大干ばつ(1988年)、日本の冷害によるコメの緊急輸入、米国大洪水(1993年)、アメリカ合衆国天候不順、フィリピン・タイ洪水(1995年)、世界のコメ生産量が史上最高(1999年)、アメリカ合衆国・カナダ・豪州同時不作(2002年)、アメリカ合衆国高温乾燥・中国同時不作、豪州大干ばつ(2006年)、欧州天候不順・豪州干ばつ(2007年)、世界的な小麦等の豊作(2008年)が発生しており、国際価格の乱高下が頻発している。
農林水産省、世界の農産物価格の動向、2009 http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pdf/kakaku.pdf
国際連合食糧農業機関(FAO)は、食料需給に関する早期警戒システム(GIEWS 2011)を構築している。台風、洪水、干ばつなどによる食料生産への影響を記したレポートの提供や、アフリカおよびアジア地域の植生指数を用いた衛星画像の提供、食料価格、食糧援助が必要とされている国の情報提供を行っている。
GIEWS 2010, Global Information and Early Warning System on Food and Agriculture, In http://www.fao.org /WAICENT/faoinfo/economic/giews/english/index.htm.
北極域からの冷たい風の影響による極低温状態の発生の時系列データを用いることによる果樹栽培への影響評価を定量的に求めた (Quamme et al.,2010)。
Quamme,H.A., Cannon, A. J.,Neilsen, D. , Caprio ,J. M., Taylor ,W. G. , 2010, The potential impact of climate change on the occurrence of winter freeze events in six fruit crops grown in the Okanagan Valley, CANADIAN JOURNAL OF PLANT SCIENCE, Vol. 90, pp.85-93.
エクセルのマクロ機能を使った作業の様子を以下に示す。簡単な手順から始めて、すこしづつ、組み合わせていくと、それなりのものができあがってくるので、ぜひチャレンジしてほしい。
|
|
左の動画は、先日、長春郊外のスキー場でのヒアリングの様子。通訳をしてくれた吉林大学の学生のT君は、留学経験がないにもかかわらず、完璧な英語を話し、また話の内容も明確で、論理的な構成もしっかりしている。中国の大学には、非常にしっかりとした人材で、ハングリー精神の旺盛な人材が育ちつつあるように感じていている。日本の学生が、どうやって、海外の学生とわたりあっていくかは、今後の重要な課題となってくると感じている。
3月19日の卒業式を迎える皆様、おめでとう。就職、進学、留学など、これから様々な場面に出ていくことになるが、卒業後、日常的に行っておいた方がよいと、個人的に思っている点をのべたい。
○会社からお金をもらいながら、研鑽を積ませてもらうことは、すばらしいことだと感謝して、貪欲に吸収してほしい。
○メモをつける癖をもつこと。業務を通じて、感じた疑問や、アイデアなどが出てきた場合には、自分なりに考えて、メモをしておくなど自分なりにレポートをまとめておく癖をつけておくと、そのレポートが思わぬところで役に立つ日がきっと来るに違いない。
○新聞に目を通してほしい。それも電子媒体でなくて、紙媒体がのぞましい。人間の脳には、文字を読むのでなくて、画像として認識することで、一気に頭に情報を取り入れることができる素晴らしい能力がある。なれてくると、新聞を15分もあれば、読むことができる。朝刊に含まれている文字量は、文庫本1冊分の情報があるといわれているが、その情報を15分で頭に入れることができるのは、すばらしいことだと思う。
○本に日常的に目を通してほしい。通勤電車の中で、スマートフォンなどを見ている方を多くみかけるが、文庫本をしのばせておくと、コマ切れの時間をつかって、1週間をたってみると意外に読書量をふやすことができる。新潮文庫の100冊あたりから始めてみるのもよいかもしれない。
○小銭入れのついている財布をもつようにしてほしい。これは、細かいお金をきっちりと使い切るという癖をつけることができ、結果としてお金がたまっていくことになる。株への投資なども、経済の生きた勉強になるかもしれないが、株価の動向が仕事中も気になったり、あるいは、インサイダー取引への厳罰化の動きがあるので、個人的には、?のところでもある。思わぬ迷惑が、(業務内容をもらしてしまったということで)友人にもかかるかもしれない。
○マイボトルを持ち歩くこと。毎日、ペットボトルを購入していると、それだけで月に5000円近い出費になる。またペットボトルのジュースは、信じられないくらいの糖分が入っているので、糖分の摂りすぎを防ぐこともできるというメリットがある。
○週間予定表をつける癖をつけてほしい。毎週の始まりに、次の一週間を見据えて、どのように過ごすのかという予定表を作成することをお勧めする。それが、たまってくると、自分の歴史を記録することにもなり、そこから、いろいろなものが見えてくることは間違いない。
○普段から運動をする癖をつけてほしい。20代のうちは、あまり気にならないが、30代、40代、50代、60代と年齢を経るにしたがって、運動を日常的にしている人と、そうでない人の身体の機能の差が大きくついてしまう。紫外線への対応も、サングラスをるとか、帽子をかぶるとか、日常的に気をつけるとよいだろう。
○仕事以外の別のなにかのつながりをもつことが、人生の幅と視野を広げてくれる。社会貢献活動もいいかもしれないし、自分が関心を持っている研究会に顔をだしてみるのもよいかもしれない。まったく違う視点を持った方との付き合いは、仕事上でも新たなアイデアを生み出す上での活力になってくれる。
○静と動の組み合わせを楽しんでほしい。動くときには、さっさと動き、動かないときには、じっくりと物事に取り組むことで、メリハリをつけることができる。これに加えて、あえて、ダラダラと過ごすという時間を設けることも選択としてあってよいと思う。
|
|
3月14日(水)
早朝より上ヶ原キャンパスへ移動し、いくつかの打ち合わせを持つ。そのあと、公共交通機関を乗り継いで三田キャンパスへ移動する。最近は、雑誌を電車内で読んでいる人をほとんどみかけることがないが、JRや私鉄のKIOSKで販売されている週刊SPAは、雑学的な記事があり、重宝している。3月20日号で、コラムニストの勝谷誠彦氏が寄稿されていた文章に日本人の幸運を感じたので、以下に引用させていただく。 ”福島原発の事故で実はもっとも脅威だったのは燃料棒が抜き取られてプールに保管されていた四号機だった。冷却できなくなるとプールの水はたちまち蒸発し燃料は暴走をはじめる。 中略 ここから放射性物質がまきちらされると作業員は、撤退せざるをえなくなり、首都圏、東日本全域に放射性物質が降り注いだ可能性がある。 が、奇跡がおきた。
4号機には、修理のために水がはってあった。この水は、本来であれば、震災の4日前に抜き取られるはずだったが、機具の寸法違いで、そのままに放置されていたところに震災がおきた。 炉の上の水とプールの間いには仕切り板があり、それがゆれのために動いて隙間ができて、猛烈に蒸発をはじめていた燃料棒のあるプールに炉から水が流れ込んで、注水が自動的におこなわれたという。
まさしく奇跡に近い偶然が重なったという。”
昨日は、立命館大学のCOEプログラム関連での以下のセミナーにゼミの学生と参加する機会があった。
Two influential scholars on GIS and digital humanities,Profs. Stewart Fotheringham and Stone Shih will talk on GIS studies on geographical aspects of Irish famine and Taiwanese cultural space of ballads, respectively. The abstracts are attached in the bottom of this email in English. Or you may find it in the following website:
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/HGSG/2012/03/gis-5.html
Sorry for this short-noticed announcement. I hope you can join us to discuss the possibilities of GIS to study on humanities on this occasion. To attend this seminar, no need to register. You may find the information of how to get our research center at the following website.
http://www.rits-dmuch.jp/en/access.html
アイルランドのじゃがいも飢饉の話を600年以上の歴史があるUnivesity of St Andrewsの先生が話をされていた。St Andrews大学は、歴代のイギリス王室の皇太子が留学されている場所としても有名である。
今回の講義は、なぜ、1800年代にアイルランドで飢饉がおきたかを空間情報を用いて明らかにしていく様子が興味深いものがあった。
以下にそのメモを紹介する。左の動画は、私が出した質問である、気候変動への影響、famineの強度の定義、レッセフェール主義の説明、政府が何をしたかについて答えてもらったもの。
A New View of the Irish Famine through Geographic Information Science and Geographically Weighted Regression
Director, Center for GeoInformatics
School od Geography and Geosciences
Univesity of St Andrews
アイルランドの飢饉(Famine)に関するレクチャー:主に胴枯れ病が原因でじゃがいもの供給量が極端に落ちてしまい、その結果人口が減少した。
1841年に816万人だった人口が、1851年に657万人になって、以下の形で減少している。
6801827(1821) 7767401(1831) 8196597(1841) 6574278(1851) 5798967(1861) 5412377(1871) 5174836(1881) 4706162(1891) 4458775(1901) 4381951(1911)
カルトグラム(数値の大小によって面積を按分する方法)を使った分析の紹介
http://ncg.nuim.ie/historical-atlas
NCG Online Atlas Portal の紹介
飢饉に関しては、数多くの本が書かれている。
人口減少は、様々な要因によるもの
Potato blight】胴枯れ病
Over-dependece on single crop
単一の穀物に依存しすぎることの危険性
Lack of altenative food supply/ logistics of relief schemes
Lack of money/ lack of cash based economy
laissez faire ideology
レッセフェール[経済上の自由放任主
アイルランドの状況を把握する上で、解像度を変えてみること
Countries 32
Poor Law Unions 163
Baronies 323
Parishes 2426
Electrical divisions 3439
Townlands 60915
Kennedy et al, Mapping the Great Ishis Famine
100以上の変数からなる重回帰分析を行ったが、いくつかの問題点がある。
choose too many – multicollinearity effects
choose too few – omitted variable bias
Relationships might vary over space
Gegraphically Weighted Regression
-weighted data according to their location from the regression point
Brute force (trying every possible model) is not currently a solution
As popultion density on cropped land increses = the effencts of the ffamine are more severe
********************************************************************
The GCOE-GIS and Digital Humanities Confrecne, Kinugasa Campus, Ritsumeikan Univerisity, Kyoto, Japan
13 March 2012
Digitaized Enka-stylish Taipei: The Japanese Cultural Space of Taiwanise Ballad’s Imaginary
C.S.Stone SHIH, Director Center of Social GIS, School of Liberal Arts and Social Sciences
Department of Sociology, Soochow University
http://
日本の演歌が、台湾に対してどのように影響をおよぼしたかについて、森進一の歌などを引用した講義が興味深いものがあった。
1960年代に日本の演歌が、台湾でかなり歌われたという。
Chi Lu-Shyia
Hung Yi Feng 1962年に日劇に来られたというくらい、日本でも人気が出た。そのあと8回も来日したという。
********************************
この2月から3月にかけて気象条件と穀物生産に関するデータベースの構築、論文の執筆を納得のいくまで、じっくりとデータに取り組みながら、名古屋大学のS先生、京都大学のH先生、立命館大学のN先生と情報交換・データ解析に関する教示を受けて進めてきた。データ解析に入るための仕込みの終わりがようやく見えてきたように思う。以下にその概要を紹介する。
目的:主要穀物の栽培条件に適した気象条件が与えられているかを空間的に把握すること
STEP1:栽培歴が空間情報を持つために、それぞれの主要穀物の作付開始時期と収穫開始時期を示す格子点のデータを構築する。
STEP2:それぞれの格子点に対応する1961年1月から2009年12月までの月平均気温と月降水量の時系列データを抽出するプログラムを開発する。
STEP3:月平均気温と月降水量のデータを日気温と日降水量に按分する。
STEP4:格子点毎の主要穀物の作付開始時期から収穫開始時期までの積算気温と積算降水量の推移を年毎に求める。
以下のa,b,c,d,e,fの情報と組み合わせることで、気象条件からみた年毎の出来の良さと不出来を比較する。以下の条件を満たすときは、成育がよく、満たさないときは、成育がよくないとか・・・。
a.イネの栽培適温・降水量(栽培期間中)は2400-3500度日・600 mm以上、可能気温・降水量(同)は2000-2400または3500-5800度日・400-600 mm
b.冬コムギの栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均6-12度C・250-600 mm、可能気温・降水量(同)は平均4-6または12-18度C・150-250または600-800 mm
c.春コムギの栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均15-18度C・400-600 mm、可能気温・降水量(同)は平均13-15または18-20度C・100-200または500-700 mm
e.トウモロコシの栽培適温・降水量(栽培期間中)は平均20-25度C・400-800 mm、可能気温・降水量(同)は平均16-20または25-29度C・250-500または800-1000 mm
f.(ダイズの好適・可能条件はトウモロコシと同様)。
下準備として、以下の2本論文を3月中旬に投稿を行った。
中国における気象条件と穀物供給
気候変動による穀物生産への影響が懸念されている。多くの人口を抱え、世界最大の穀物生産国であり、経済発展が著しい中国を本研究の対象とする。全球レベルでの1961~2009年の月平均気温と月降水量は、東西方向720列、南北方向360行のグリッドで提供されている。全球レベルのデータより任意のグリッドの月平均気温と月平均降水量の時系列データを抽出するプログラムを構築した。穀物栽培地上の1961~2009年までの各年の月別の平均気温と降水量を抽出し、各年における1月~12月までの月平均気温と月降水量の積算値、主要穀物であるトウモロコシ、大豆、コメ、小麦の作付開始時期から収穫開始時期までの月平均気温と月降水量の積算値を求めた。ケースAとして、食糧自給率、1人当たりの穀物供給量、1人当たりの穀物供給量に人口を乗じた食糧総供給量を被説明変数とし、年間の積算気温、積算降水量、肥料投入量を説明変数とする推計式を作成した。ケースBとして、中国における主要穀物の生産量を被説明変数として、それぞれの主要穀物に対応する作付開始時期から収穫開始時期までの積算気温、積算降水量、生産量に応じた肥料投入量を説明変数とする推計式を作成した。ケースAとケースBにおいて、肥料投入量の影響を強く受けることが示された。ケースAに着目すると、食料自給率、食糧供給量は、積算降水量よりも積算気温の影響をより受けることが示された。ケースBに着目すると、トウモロコシ、大豆、小麦は、積算気温増加による生産量低下、積算降水量増加による生産量増加、コメは、積算気温の増加が生産量低下、積算降水量増加が、生産量減少につながることが示された。中国においてコメの生産比率が一環して減少傾向にあり、積算気温の増加による生産量減少傾向がみられるトウモロコシ、小麦、大豆の生産比率が上昇傾向にあることから、中国における穀物供給が気象条件の動向により、低下する可能性が示された。
Key Words : food self-sufficiency rate, accumulated temperature and precipitation
中国・長春におけるトウモロコシ単収と気温、降水量の関係
中国・長春におけるトウモロコシ(Maize)の単収予測のための推計式の作成を目的とした。空間情報をもつ1961年1月から2009年12月までの月平均気温と月降水量から、仁意の地点の時系列データを抽出するプログラムを開発した。農家へのヒアリングに基づいて、月平均気温の4月から10月の月平均気温の積算値、7月と8月の月平均気温と月降水量の積算値、9月の月降水量を求めた。トウモロコシ単収として中国全体の平均値と吉林省の単収を被説明変数とし、月平均気温の4月から10月の月平均気温の積算値、月降水量の7月と8月の積算値、9月の降水量を説明変数とする推計式を求めた。中国全体の平均値を用いた場合は、4月から10月の月平均気温の積算値が1度上昇するとヘクタール当たり76キログラムの単収増加、7月と8月の月降水量の積算値が1mm増加するとヘクタールあたり0.14キログラム、9月の月降水量が1mm増加するとヘクタールあたり5.8キログラムの単収減少になることが示された。吉林省の値を用いた場合は、4月から10月の月平均気温の積算値が1度上昇するとヘクタール当たり101キログラムの単収増加、7月と8月の月降水量の積算値が1mm増加するとヘクタールあたり1.7キログラム、9月の月降水量が1mm増加するとヘクタールあたり1.1キログラムの単収減少になることが示された。いずれのケースにおいても、農家へのヒアリングから得られた9月の降水が、単収を減少させる要因になることが推計式から示された。
Key Words : maize yield, accumulated temperature and precipitation, cropping calendar
|
|
吉林大学経済学院で約60名の学生を相手に集中講義を行う。その内容をそれぞれ1時間半の動画に収録したので、それぞれ以下に示す。
STEP1
http://www.youtube.com/watch?v=AR8m1xVVb00
STEP2
http://www.youtube.com/watch?v=c_J9tqF2c4c
講義終了後、吉林大学の経済学院の院長のR先生、国際交流センターのl先生、スタンフォード大での研修を終えて帰国されたt先生、中央大学で修士課程、博士課程を終えられたT先生と会食を楽しむ。R先生は、北朝鮮の指導者を養成する大学でも教鞭をとられている。T先生は、様々な視点で物事をとらえられる方で、中国の上海や北京などの中心での不動産価格の高騰は、かつての日本でもみられた現象で、地方で財をなした方が、中央に成功の証として、不動産でも購入してみようかという気持ちが集まって結果として、不動産価格の高騰につながっているのではないかという視点をされていた。今回、吉林大学の農学部で入手したトウモロコシの生産性のデータをみると、1989年前後に急激な落ち込みがみられるが、それは、計画経済から市場経済へ移行する過程で、インフレが進行し、様々な物資の価格が上昇したことによるものだという。院長のR先生に具体的に市場経済への移行という点について、どのようなことをしてきたのかについては、10日間くらいの集中講義を受けないと、とても説明しきれないほどのものだという。経済学院のRは、北朝鮮の首都にある指導者を養成する大学でも教鞭をとっておられるという。
長春郊外では、トウモロコシ畑が一面に広がっている。収穫がおわってからの11月から3月までは、雪で大地が凍結してしまい、何も育てることができない。農家の方は、冬の間は、都会での仕事も減ってしまうので、毎日、飲んで、麻雀をして過ごしているという。農家の年収は、日本円で50万円前後で、実際には、もっと年収が低い農家もあるという。農村地帯の冬季の収入を確保するために、雪深い農村地帯にスキー場を設置することは、日本でもとられてきたことだが、中国でもスキー場への人気が高まりつつあるという。日本のスキー場が持つソフト的なノウハウや、農村地帯の子供たちにスキーを教えるような仕掛けが今度、出てくるとおもしろいかもしれない。
吉林大学のスタッフの方と長春郊外のスキー場を訪問することができ、またスタッフの方に終日、レッスンをすることができた。今回の移動は、世界で初めて乗用のフルタイムの4輪駆動を開発したアウディ社のQ5だったが、おどろいたのが、夏タイヤでも、それなりに走れたことだった。途中、何度か、圧雪のバーンで、車が回転しまいそうになったこともあるが、絶妙に姿勢がもどされたことには感動した。このスキー場は、バスでも訪れることができ、約10元で長春市内から2時間ほどで来ることができるという。リフト券は、1日券が150元だった。週末になると2000人近い人が訪れるので、雪さえ降ってくれれば、それなりに現金収入が農村地帯にもたらされているのかもしれない。今回、プロのカメラマンが撮影にきていて、吉林大学のスタッフと知り合いだったこともあって、望遠レンズで滑りの写真をとってもらうことができた。以下に連続写真の形にして紹介する。

|
|
今回、関学が吉林大学と協定を結んでいる関係で、再び、長春を訪れている。関西空港から北京を経由して、長春に到着した。途中、関空から北京に向かう際に、隣の席に航空機の扱いでかつて名をはせた某総合商社の副部長のS氏と知り合うことができた。S氏が北海道大学の出身だったので、いろいろと大学関連の話で盛り上がることができ、次回、北京を訪問する際には、S副部長を訪ねたいと思っている。S副部長の話によると、関学を学部で卒業して、大学院を他の大学で修了したという社員が何名か入社されているという。
今回の滞在中に、長春周辺の主要穀物の時系列データを入手できればと思っている。空から見た長春の様子は、一面、雪におおわれている。長春も天候の変化がめまぐるしいという。
2月の後半は、日本でも天候の変化がめまぐるしかった。氷点下10度前後で琵琶湖バレイでパウダースノーを楽しんだかと思うと、その次の日には雨がふり、そのあと、晴れ間がのぞいて春スキーの雰囲気になる。バンクーバー在住のM先生からの連絡によると、今年のバンクーバー周辺の山の積雪は、かなりのものがあって6月の終わりくらいまでスキーができるかもしれないという。”Cypress ski area has 350 cm and Whistler has much the same. I think there will be skiing at Cypress at least till the end of April and Whistler till the end of June.”
前回、長春郊外の農家を訪問した際のメモを以下に紹介する。
『中国の吉林省の長春市の郊外にある3ヘクタールの農地を持つ農家を訪問する機会があった。この農家は、トウモロコシを中心に扱っている。4月中旬に作付を行い、10月中旬に収穫をしているが、7~8月にかけて雨が必要だが、9月になると雨は必要ないという。コメは6月に作付を行い、10月に収穫するという。冬季には気温が氷点下に下がる地域でもあって、年に1回限りの作付となっている。20年前は、ヘクタールあたり3.5トンだった収穫量が、2011年には12.5トンまで増加している。FAOSTATによるトウモロコシの単収は、ヘクタールあたり2009年において5.3トンなので、この地域における単収は、積極的な肥料投入量もあって高い。粒状にして半乾燥させた状態での価格は、1トンあたり1800元となっていて、10年前の2倍、30年前に比べると8~9倍の価格になっているという。トウモロコシの種、農薬、肥料は購入しており、その費用は、3ヘクタールに対して約1万元前後になるという。』
春休み期間中は、全球レベルの気温と降水量のデータを見直して、必要な地点における時系列データを抽出できるプログラムを名古屋大学のS先生に提供いただき、その時系列データを用いての解析を進めている。今回、長春でのヒアリング結果に基づいて、以下の解析を行ったところ、実際のヒアリング結果を定量的に示すことができた。
『空間情報をもつ1961年1月から2009年12月までの月平均気温と月降水量から、仁意の地点の時系列データを抽出するプログラムを開発した。現地でのトウモロコシ栽培農家へのヒアリングに基づいて7月と8月の月平均気温と月降水量の積算値、9月の月降水量を求めた。トウモロコシの単収データとして中国全体の平均値を与えた。穀物単収を被説明変数とし、月平均気温の4月から10月の月平均気温の積算値、月降水量の7月と8月の積算値、9月の降水量を説明変数とする推計式を求めた。4月から10月の月平均気温の積算値が1度上昇するとヘクタール当たり75キログラムの単収増加、7月と8月の月降水量の積算値が1mm増加するとヘクタールあたり0.14キログラム、9月の月降水量が1mm増加するとヘクタールあたり6キログラムの単収減少になることが示されており、農家へのヒアリングによる9月の降水量が、単収減少になることが定量的に示された。』
JICAに資源開発アドバイザーの細井先生から本の紹介が寄せられたので以下に紹介する。
ご承知の通り、昨年、7月1日よりJICAに資源開発アドバイザーとして勤務させていただいております。資源開発で世界中を廻り、お蔭様で充実した仕事をさせていただいております。 つい先日も2週間アフリカ方面に行っておりました。 3月は、カナダ、モンゴル、4月はマラウイ、アンゴラ、そして5月は韓国と出張が予定されています。 2月はうまく日本の寒い時を外したと思ったのは甘かったです。 その後の寒さは特に厳しいです。 11月末から1月初めまでは、本の執筆・校正に追われました。
日刊工業新聞社に頼まれて、鉱物資源に関する本を書きました。下記に簡単に紹介します。本は1月30日に販売開始、翌31日の産業新聞では本の紹介をしていただきました。 同じく31日の朝日新聞、日経新聞の1面の広告欄にも出たのでお気づきの方もあったかもしれません。 東京駅北口オアゾの丸善本店の1階経済コーナー、3階の理工学コーナーに平積みされ、新宿紀伊国屋書店にも4階理工学コーナーに平積み、紀伊国屋新宿南口店5階自然科学コーナーに平積み、池袋ジュンク堂、本のリブロにも建て本で出ています。東京以外でも入手できます。
本の題名と目次から分かっていただけると思いますが、経済産業省鉱物資源課長が言われる「海屋」「山屋」用に、「海屋」には陸の鉱山全般を知っていただきたく、「山屋」には海底資源を知っていただきたく、広く世間一般には、両方を知っていただきたく書いたものです。 陸上鉱山について書いたものはありそうですが、鉱業全般について、そして陸上から海底まで書いたものは意外となくて、このような内容は初めてではないかと思います。
一人でも多く読んでいただきたいので皆様にご紹介いただければ幸甚です。
書名:「陸上から海底まで広がる 鉱物資源フロンティア」
出版社:日刊工業新聞社
A5判、168頁、価格(税込み)1,890円 (10冊以上注文の場合、連絡いただけますと2割引で提供いたします。)
<本の紹介>
資源問題がいま熱い!ここ数年間、マスコミに「鉱物資源」が登場しなかったことはない。今や鉱物資源の問題は、専門機関・業界及び専門家の域を超えて、国を挙げての問題となっている。鉱物資源の世界は一般社会では一番目に付きにくいところにあり、知らないことも多い。その一方で、鉱物資源の世界を、分かりやすく紹介した本も今まで見当たらなかった。本書では、鉱物資源の世界を、自然科学、技術、社会科学、経済、国際関係の面から、わかりやすく書いてみた。グローバルな社会の上に、新興国の経済発展は地球上の資源を凌駕する勢いであり、自国の供給を確保しながら、世界全体の配分も見るといった複視眼的な見方が要求される。広い範囲の人たちに鉱物資源理解の一助となれば幸いです。
<目次>
はじめに
[プロローグ]資源の世界で今、何が起こっているのか
第1章 鉱物資源は世界にどれだけあるか
第2章 地下の鉱物はこうして金属商品となる
第3章 鉱物資源の流通は何が問題になっているか
第4章 鉱物資源で揺れる世界情勢
第5章 持続的発展のための資源確保戦略
第6章 深海底鉱物資源への期待
[エピローグ]次代への資源確保に我々の果たすべき使命
<著者紹介>
細井 義孝(ほそい よしたか)
秋田大学客員教授。国際協力機構(JICA)資源開発アドバイザー。経済学博士。鉱業技術者。英国Oxford Policy Management登録会員。
1974年、秋田大学鉱山学部採鉱学科卒。在学中に休学して、アフリカのザイール(現 コンゴ民主共和国)のカッパ―・ベルトで銅鉱山開発に1年半従事する。1976年、東京大学工学部資源開発工学科研究生修了。同年、金属鉱業事業団【現石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)】に入団。アジア担当マニラ事務所長、国際機関SOPAC出向、財団法人JMEC出向。JOGMEC審議役で退職。
在職中にサントトーマス大学大学院経済学専攻修士課程、クイーンズランド大学大学院経済学専攻博士課程を修了。
2003年より秋田大学客員教授、2005年より深海資源開発㈱に出向。2011年よりJICA資源開発アドバイザー。
著書:「Mining and Development」 (英文2009)(LAP LAMBERT Academic Publishing AG & Co.KG)(単著)
****************************************************
細井 義孝 Yoshitaka Hosoi
経済学博士、鉱業技術者、秋田大学客員教授
PhD in Economics, Engineer, Visiting Professor of Akita University
客員専門員 資源開発アドバイザー
Visiting Senior Advisor for Natural Resources
独立行政法人 国際協力機構
Japan International Cooperation Agency (JICA)
〒102-8012 東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル5F
|
|



松村寛一郎
研究分野のキーワード
環境地球マネジメント、グローカル
研究内容
産業革命以降、爆発的に増加する人口と、地球の深部に眠っていた石油・石炭資源を消費することにより、多くの問題が引き起こされ...

Social Widgets powered by AB-WebLog.com.