2009年11月

外部リンク集4:各種団体・機関等

2009 11/27

 以下は、各種の団体についての紹介&リンクです。玉石混交かもしれませんが、どれが玉で、どれが石かは皆さんの御心次第でしょう。

#1:関西学院大学総合政策学部同窓会:何を隠そう、皆さんの先輩、第1期生から第11期生(2009年3月卒業)まで、総合政策学部で学んだ方々の同窓会のHPです。この11月には、リサーチ・フェアで同窓OBG車座企画をプロモートしていただきした。ご関心がある方は、是非このHPをご覧ください。そして、(先の話ですが)卒業したら、同窓会のMLに加盟してくださいね。http://member.kwangaku.net/kgspsalumni/

#2:国際協力機構:ご存じのように「日本の国際協力を包括的に実施する機関」です。英名の略称(JICA)は”ジャイカ”と読みますが、私の赴任地タンザニアではスワヒリ語でローマ字読みが一般なため、”ジカ”と呼ばれていましたhttp://www.jica.go.jp/。私がJICAの派遣専門家として、ODAの末端にいたのは1982~84年ですが(東アフリカ・タンザニア共和国、勤め先はタンザニア天然資源観光省http://www.mnrt.go.tz/)、その頃は国際協力事業団と言いました(JICAという通称は同じ)。主に技術協力と無償・有償資金協力、専門家+青年協力隊等の派遣等+(逆に)海外からの研修員の受け入れ等が主な業務ですが、そのあたりは上記HPをご覧ください。この機関は、1962年設立の海外技術協力事業団、63年設立の海外移住事業団(当時、日本から海外への移住者支援が盛んだったのです! そうやって各地に移住された方々のご子孫が、逆に日本に労働者として訪れている現在、時の流れを感じます)、65年設立の日本青年海外協力が74年に合体し、さらに2008年に国際協力銀行と統合したものです。

#3:サザンクロスジャパン:東京農業大学系のNGOで、「南十字星(サザンクロス)を望むマダガスカルの国で、人と自然との調和をめざし、ボランティア活動をしているグループです」。10年前に、マダガスカルで調査した時にお世話になりましたが、日本の里山のような(現地産の樹木で)萌芽更新による薪炭林を作り、炭焼きを普及しようと苦労されています。http://homepage2.nifty.com/vsja/

外部リンク集3:博物館

2009 11/26

 以下は、各地の博物館等のリンクです。

#1:兵庫県立人との自然の博物館:ご存じ、三田市内(フラワータウン)にある自然系の博物館です。名誉館長の河合先生はサルの研究者としては、私の大先輩にあたります。他に鳥や昆虫、魚等、生態系には知人が何人かいます。何かコンタクトをとりたい場合は高畑までご連絡を(ちなみに、環境教育の田中哲夫先生は、30年来の知り合いです)。そういえば、客野先生も2009年3月までここにお勤めでした。http://hitohaku.jp/top/director.html

#2:国立科学博物館:日本の自然系博物館の総本山です。通称「科博(カハク)」。http://www.kahaku.go.jp/。とくに過去の特別展示等をデジタルアーカイブ化しています(http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/old/index.html。いわば、バーチャル・ミュージアムです)。

#3:国立民族学博物館:人類学・民族学の総本山。千里万博公園内にありますが、基本的に「がらくた=日常的な道具で、骨董品的価値はまったくない」ものを集めた博物館です(大学院もあります)。「1日で世界旅行ができる」というのをキャッチコピーにしておきましょう。アクセスが悪いのが玉に傷です。http://www.minpaku.ac.jp/

#4:大英博物館:老舗中の老舗、通称、ブリティッシュ・ミュージアム。英語HPはhttp://www.britishmuseum.org/default.aspx、日本語バージョンはhttp://www.britishmuseum.org/visiting.aspx?lang=ja。基本的に無料です。人文・社会のことならば、「なんでもあります!」と言ってしまいたくなります。なお、自然科学系はロンドン自然史博物館(Natural History Museum)として、別組織かつ別の場所です。ここも「自然史ならばなんでもあります」と言ってしまいたくなるような場所です(20年前、アフリカから日本に帰る途中でトランジットして、コウモリやカエル、ヘビ、ヒル(魚に寄生する方)等の標本を預けたことがあります。コウモリとヒルは、数週間後に同定結果を知らせてくれました)http://www.nhm.ac.uk/index.html。自然史博物館の隣が科学博物館(http://www.sciencemuseum.org.uk/)です。スチーブンソンの蒸気機関車ロケット号、世界初のジェットエンジン等目白押しです。たしか、ドーバー海峡を超えた人力飛行機”ゴッサマーアルバトロス”も、天井からぶら下がっていたのではないかと思います。ロンドンを訪れる際は、是非、お立ち寄りください。

外部リンク集2:各種団体(高畑ゼミ)

2009 11/25

 ここでは、各種の団体の簡単な紹介とトップページへのリンクを公開します。広い世界に触れてみたい方は是非閲覧して下さい。

#1:WWF:世界野生生物基金。世界の自然保護関係のNGOの老舗です。http://www.wwf.or.jp/

#2:天神崎の自然を大切にする会:日本でのナショナル・トラスト運動の発祥の地のひとつ、和歌山県天神崎の運動のHPです。http://www.tenjinzaki.or.jp/

#3:屋久島オープンフィールド博物館:屋久島の研究者が立ち上げているウェブ上の博物館です。http://www.dab.hi-ho.ne.jp/yakuofm/

#4:マハレ野生動物保護協会:東アフリカ、タンザニア共和国のマハレ山塊国立公園(私がかつてチンパンジーを研究していた場所です)の野生生物保護を目的とした団体です。http://mahale.web.infoseek.co.jp/

#5:ジェーン・グドール・インスティテュート・ジャパン:チンパンジー研究の先駆者(京都賞受賞)のJ・グドールさんに関係するHPです。各種の情報が載っています。http://www.jgi-japan.org/

#6:ポポフ(ポレポレ基金):アフリカの野生ゴリラを対象とした保護基金です。http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/Popof/index.htm

#7:タンテリさんのマダガスカル紹介:日本に留学したタンテリさんが、日本語でマダガスカルを紹介するHPです。マダガスカル語の説明や観光案内、写真集も完備されています。http://tantely.org/

#8:市民ZOOネットワーク:動物園を通して、ヒトと動物の関係を考えるHPです。http://www.zoo-net.org/

外部リンク集1:学会・研究会等(高畑ゼミ)

2009 11/25

 より専門的な研究等を目指す方のため、関係する学会等の紹介とリンクを公開します。それぞれトップページにリンクします。勉強されたい方は、是非、“スペシャリスト”の世界に触れてください。

#1:日本アフリカ学会:私が最初に入会した学会です。“アフリカ”という地域を対象とした地域学(Local Study)で、文学・歴史から地質学まで幅広い分野の研究者の集まりです。http://wwwsoc.nii.ac.jp/africa/

#2:日本生態学会:こちらは、日本の生態学や環境関係でもっとも大きな学会です。大会は、迷子になりそうなぐらいです。http://www.esj.ne.jp/esj/

#3:日本人類学会:「人類学会」と言いますが、実際は「自然人類学」の学会です。明治の東大教授、坪井正五郎が創設した由緒正しい(?)学会です。http://wwwsoc.nii.ac.jp/jinrui/

#4:生態人類学会:人々と自然の関係を明らかにする生態人類学の学会です。http://wwwsoc.nii.ac.jp/ecoanth/index.html

#5:日本霊長類学会:私の本職、霊長類(ヒトとサルの仲間)を扱う学会です。http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj2/

#6:マダガスカル研究懇談会:マダガスカルを対象とした地域研究の研究会です。http://www.africa.kyoto-u.ac.jp/~malagasy/index.html

#7:応用生態工学会:自然と調和のとれた工法を研究する学会です。http://www.ecesj.com/

 ひとまず、このあたりで一段落しましょう。

本を紹介しましょう:高畑ゼミの100冊Part1;『イワン・デニーソヴィッチの一日』他

2009 11/23 総合政策学部の学生・院生の皆さんへ

 今春、先生方が「総政の本100冊」を選び、書評編も作成されましたが、目を通されましたか? 書評編のファイルはこちらのページに公開されています。まだの方は、とりあえず書評編を読んで、ご興味・勉強・進路にあわせてお選びください。すべて図書館にそろっていますし、生協の購買でも購入できます。

 『基礎演習ハンドブック』でもかなりの数の本を紹介しました(とくに『気軽な読書案内』で)。「総政の本100冊」よりくだけた本も、難しい本もありますが、目的が微妙に違うので、ご理解下さい。

 このブログでは「高畑研究室の100冊」として、さらに個人的に紹介したい本をあげます。なお、最初の一冊(#1)は、「総政の100冊」に入れるのを失念して、後悔したものです。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

20世紀という時代を考える

#1:アレクサンドル・イサーエヴィチ・ソルジェニーツィンイワン・デニーソヴィッチの一日』:旧ソ連・ロシアの1970年度ノーベル文学賞受賞者ソレジェニーツィンの出世作です(1962年、フルシチョフによるささやかな“雪解け”の時期での発表)。スターリン時代、東部戦線でうっかり赤軍からはぐれてしまったことから、“ドイツ軍に内通”の容疑で、強制収容所(ラーゲリ)に10年間ぶちこまれるはめになったデニソーヴィッチの1日が、何か不幸が起こりそうな雰囲気で始まります。

 しかし、シベリアの酷寒の中、建築作業に追われながら、たくましくも己の仕事(左官)に誇りを持ちつつ、“内職(時には危険で、うっかりすれば独房10日)”にも精を出す。この実直にして、かつ(権力側から見れば)ふてぶてしい男は、その日、結局、「ほとんど幸せと言っても良いような1日」を送ります。

 こうした日々を積み重ねて、10年の刑期はあわせて3,653日、「余分の3日はうるう年のせいである」とさりげなく結ぶ結末は、ソルジェニーツィンがツルゲーネフ(『猟人日記』はまた別の機会に紹介しましょう)、ドストエフスキー、チェーホフ(『退屈な話』#2;こちらは絶版のため、「総政の本100冊」に載せられませんでした)たちの正当な後継者たることをあますことなく証明します。

 社会主義、なかんづくスターリン主義の功罪を鮮やかに再現する一書です。なお、同じ時期の『マトリョーナの家』(#3)もできれば、お目を通しください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

#4:ジョージ・オーウェルカタロニア賛歌』:1930年代後半、いわば第2次大戦の前哨戦のような形で勃発したスペイン内戦は、しかし、外の世界から見るとひどくわかりにくいものでした。その点は、例えばベトナム戦争とその後(ベトナムによるカンボジア侵攻あたりまで含めて)、あるいはイラン・イラク戦争からフセイン政府崩壊後の混乱等のいわば先駆ともいえます。

 カトリック教会、王党、ファッシスト、共産党、無政府主義者トロッキスト(オーウェルがたまたま“属してしまった”マルクス主義統一労働者党[POUM])等の混乱の中、はじめは第三者的ジャーナリストとしてスペインに渡ったオーウェルは、個人の信条から“アンガージュマン(政治参加)”してしまいます。

 悲惨とも、また(第3者から見るとある種)滑稽とも見えるカタロニアでの塹壕戦で、たまたま銃弾が喉を貫通する重傷を負ったオーウェルは、POUMが戦友であるはずの共産党軍から攻撃される現場に遭遇、イギリスへ逃げ帰ります。

 この経験から、左派にも右派にも不信感を表明しながら、カタロニア人への共感をうたい上げる『カタロニア賛歌』は、当然、左派・右派双方から非難される悲哀を味わいます。

 第二次大戦後に『1984年』、『動物農場』等を発表したオーウェルが、右翼のプロパガンダに堕ちてしまったのか、それとも宗教改革時のエラスムスのごとく思想的孤独をかみしめる立場だったのか、ジャーナリズム等にあこがれる/疑ってしまう方々は、ともにこのルポルタージュ文学の傑作をお読み下さい。(To be continued…)

総政100本の映画編Part2:#16~#36、『灰とダイヤモンド』から『シンシナティ・キッド』まで

 2009 11/22

  総政100本の映画編Part2です。

・戦争と犯罪、暴力を考える

#16:アンジェイ・ワイダ監督『灰とダイヤモンド』:大国の都合で常にひき裂かれてきたポーランド、第二次大戦後の革命とテロ、政治と愛を描く東欧映画の傑作です。

#17:アンリ・コルピ監督『かくも長き不在』:第2次大戦後のパリ、戦争から戻らない夫を待つ女とそれを暖かく見守る隣人たちの前に、ある日、一人の浮浪者があらわれるが....

#18:ロベルト・ベニーニ監督・主演『ライフイズビューティフル』:戦争の悲惨さと家族の愛と耐える力を描写したイタリア映画。真の愛、思いやりとは何かを知りたい人は必見。

#19:サム・ペキンパー監督『ワイルド・バンチ』:時代遅れの無法者たちが、人生の最後に見せるバイオレンス・シーン。「最後の西部劇」と呼ばれたペキンパーの最高傑作。

・現代社会の現実と悪夢

#20:スタンリー・キューブリック監督『時計仕掛けのオレンジ』、マーティン・スコセッシ監督『タクシー・ドライバー』(#21)、そしてテリー・ギリアム監督『未来世紀ブラジル』(#22)、いずれも20世紀最大の問題の一つ、“性”、“暴力”、“政治”を扱った作品です。

#23:山本薩夫監督『白い巨搭』:田宮二郎主演の医療界の腐敗をテーマにした映画。大学病院内での権力闘争や、医療過誤を描写、人間の権力欲などの暗い面を見せてくれます。

#24:クリント・イーストウッド監督『パーフェクト・ワールド』:1960年代初頭、ケネディ大統領暗殺とベトナム戦争激化直前の南部で脱獄、誘拐、殺人、DV、(初期の)プロファイリング、テキサスの男性社会での女性の社会進出、ルーキーとベテランの相克(そして異世代間の和解と相互理解)等々が渦巻く中、ケビン・コスナー演じる犯罪者が(彼自身もいわば被害者=アダルト・チャイルドなのですが)、同じように心に傷をもつ男の子を人質としながら、心ならずも道行きとなり、この世には存在するはずもない“パーフェクト・ワールド”に向かって、破滅へと失踪するロード・ムービーの傑作です。

 なお、イーストウッド監督作品には『スペース・カウボーイ(アメリカ人が、実は大好きな“老人映画[=若者に馬鹿にされる老人たちが、実はとんでもない実力の持ち主であることがわかる]”です)』(#25)、『許されざる者(アカデミー賞作品賞他;アメリカ人の自治と銃の問題を扱う)』(#26)、『ミリオン・ダラー・ベイビー(アカデミー賞作品賞他;尊厳死の問題を扱う)』(#27)、『チェンジリング(警察権力の醜さと児童への犯罪)』(#28)、そして最近作は人種差別用語満載の傑作『グラン・トリノ』(#29)と目白押しです。俳優として出演した『ダーティ・ハリー』(#30)もまた、アメリカ社会の一面を鮮やかに切り取った快作です。

・“古典”として

ローベルト・ヴィーネ監督『カリガリ博士』(#31)、フリッツ・ラング監督『メトロポリス』(#32)、セルゲイ・エイゼンシュタイン監督『戦艦ポチョムキン』(#33)、ルイス・ブニュエル監督『アンダルシアの犬』(#34):いずれも“大量破壊と暴力”の20世紀にふさわしく、政治、暴力、権力等に取り組んでいます。

 とくに『カリガリ博士』は精神病院を舞台に、ナチス・ドイツの政権掌握を予言したとも言われるドイツ表現主義映画の傑作です。また、『メトロポリス』は同じドイツ表現主義に立ちながら、機械化が進んだ近未来社会の悪夢、労働者階級と資本家の対立、そして人造人間(ヒューマノイド)への恐怖を描写しました。ただ、労働者と資本家の和解という結末については、毀誉褒貶が絶えません。一方、『アンダルシアの犬』は上映時間16分のショート・フィルムです。スペイン生まれで、後年反フランコ派となる映画監督ブニュエルが、友人だった画家サルバトール・ダリ(こちらはフランコを支持したため、二人は喧嘩別れするのですが)とともに作ったシュールレアリズム映画の先駆です。この二人の芸術家がこの映画で試みたものは、めいめいが見た夢を映像の中に固定するというものでした。

 また、同じ時期、資本主義と共産主義の対立をモチーフに、革命の勝利を高らかに歌いあげたソ連映画『戦艦ポチョムキン』は、映画が発する政治的メッセージの強さをとことん追求した傑作といえるでしょう。同じ監督が権力者の栄光と孤独(誰しも、スターリンを連想するかもしれませんが)を描いた『イワン雷帝』(#35)とともにお薦めです。

 まだ3分の1ですが、このあたりでいったん小休止したいと思います。最後に、スティーブ・マックイーン演じる若者賭博師が、往年の名優エドワード・G・ロビンソン扮する大物賭博師“ザ・マン”と人生を賭け、数日を徹してポーカー勝負をおこなう賭博映画『シンシナティ・キッド』(ノーマン・ジュイソン監督;#36)より、最後の最後に勝利をもぎ取ったエドワード・ロビンソンが、茫然自失としているマックイーンに言い放つセリフ(うろ覚えですが)でPart2を終えましょう(これも一種の「老人映画」の側面があります)。

おまえは強い。だが、俺が生きている限り、おまえは2流だ!

総政100本の映画編Part1:#1~#15、『桜の園』から『サイダーハウス・ルール』へ

2009 11/22

 高畑ゼミでは“映画”も対象で、過去に“黒人映画”等をテーマとした卒論もありました。以下は、『基礎演習ハンドブック』のため、渡部律子先生とお薦め映画を集めたものの、都合で掲載できなくなったリストの公開です。

・あらためて人生を考えるには

#1:中原俊監督『桜の園』:吉田秋生(よしだ あきみ)原作の漫画をもとに、女子高演劇部の様々なかかわりを描いた叙情的な映画。思春期の女性心理や交流が美しい映像と共に描かれています。吉田作品では他に『カリフォルニア物語』『BANANA FISH』『ラヴァーズ・キス』等がお奨め。なお“BANANA FISH”とは、言うまでもなくJD・サリンジャーの短編小説『バナナ・フィッシュにうってつけの日』に由来します。

#2:ジャン=ピエール・ジュネ監督『アメリ』:少々変わっていても、豊かでなくても、人生は楽しめるかもしれないと思わせてくれる、ほのぼのとしたフランス映画。

#3:村上正典監督『7月24日通りのクリスマス』:主演の中谷美紀の妄想と現実が交互にスクリーンに現れ、ポルトガルと長崎の景色を活かしたロマンティック・ラブ・コメディー。

#4:周防正行『Shall We ダンス?』:日本の現代家族、中年男性の心理などが上手く描写されている楽しい映画。リチャード・ギア主演でアメリカにおいてリメイク。

#5:ピーター・ウィアー監督『いまを生きる』:全寮制の名門エリート校での、教師と生徒の交流の物語。風景も美しい。

#6:黒沢明監督『生きる』:「人が生きることとは何か?」を考える際、現代にも十分通用するストーリー。長い映画だが必見。黒沢監督では、ほかに『用心棒』(#7)、『羅生門』(#8)も必見。

#9:寺山修司監督『田園に死す』:故郷(東北)、家族(とくに母)、性、しがらみから逃げようとして、逃げきれない作者の自伝的作品。高度成長期の黄昏を象徴するラストシーンには誰も茫然としてしまいます。なお、これは川島雄三監督『幕末太陽伝』(これはまた後日、紹介しましょう)で、川島監督が試みようとして(撮影所全員から押しとどめられた)幻のラストシーン案へのオマージュだそうです。

#10:ロン・ハワード監督『ビューティフルマインド』:実在の天才数学者ジョン・ナッシュが病と闘いながらも妻とのかかわりを通して克服していく感動の物語(ちなみに、ゲーム理論に出てくる「ナッシュ均衡」の発見でノーベル経済学賞を受賞)。

・欧米社会の成り立ちを知ろう

#11:イェジー・カヴァレロヴィチ監督『尼僧ヨアンナ』:どこまでも暗い中世ヨーロッパ、女子修道院を舞台とした悪魔払いの事件をテーマに、貴族・宗教社会の心の闇を暴き出します(“悪魔”とは、どんな人の心にも潜んでいる暗闇なのです)。

#12:ジョン・フォード監督『駅馬車』:ひたすら疾走する駅馬車で展開される人間ドラマ、不気味な背景として襲いかかる“インディアン”、アメリカ市民と社会のなりたちが浮き彫りになってきます。

#13:シドニー・ルメット監督『12人の怒れる男』:陪審員の物語。一人の人間がグループの他のメンバーにどれだけ影響を与えることができるのかを考えられる名作。

#14:フランシス・コッポラ監督『ゴッド・ファーザー』Part1&Part2:“遅れてきた移民(イタリア系)”が競争社会のアメリカで生き延びようともがく、その一つの答えが“マフィア”であったともいえるでしょう。

#15:ラッセ・ハルストレム監督『サイダーハウス・ルール』:人種差別、中絶、性的虐待等の社会問題を織り交ぜながら、決して悲惨ではなく、主人公の恋愛や彼を取り巻く人たちとの人間的な触れ合いの中で、社会の現実を経験しつつ成長する姿を描きます。

(Part 2に続く)

研究演習1(高畑ゼミ)の内容を紹介します~ゼミ選択の方へ~

2009 11/21

 これまでに個人研究室に訪れた方の質問をもとに、研究演習1(高畑ゼミ)の内容を紹介したいと思います。まずメインのテーマは生態学か、人類学に関係することです。と言っても、この二つは非常に間口の広い分野です。人類学はヒトに関するすべてのことが対象ですから、人文・社会科学も含めてかなりのものをカバーします。同様に、生態学も、ヒトと自然の関係から生物学まで広範囲な対象を扱います。

 その上で、私が学生の皆さんにお願いしているのはただ一つ、「ご自分のテーマを大事にして下さいね」ということだけです。自分も気に入らない話を話す/聞かされるのは、どんな方でもつらいはず、自分が選んだテーマを“愛して”あげて下さい。

 今年の一年生の人たちから、基礎演習でハンドブックを使用するようになりましたが、その19ページに、生物学者の故白上謙一先生(ヒキガエルの発生学が専門で、私は大学3年の時、半年だけ教わりましたが、その直後にガンで急逝されました)の言葉「重要な発見をしようとするよりも、自分の発見を重要なものにすることに、努力すべきである」を紹介しました。皆さん、ちょっと調べてみただけで、重要なことがいっぱい出てきます。しかし、悲しいかな、それが肝心の自分に意外にわからない。自分の手中にある宝物に、我々はなかなか気づかないのです。そこをちょっと工夫して、学生の(ついでに教員も)眼を開かせる場(=これがソクラテスの産婆術でもあるのですが)がゼミなのです。

 ゼミでは、テーマがなかなか手ごわく、難しい場合は、皆さんと一緒にどうしたら本当のことがわかるのか、考えたいと思います。もし、ご自分の思いが他の方になかなか伝わらない場合は、どうやったらうまくプレゼンテーションできるか、お教えしたいと思います。ゼミにおいて、教員ができることはそれぐらいですが、皆さんには是非、がんばっていただきたいと考えます。

 これまでのテーマを少しだけ紹介すると、「京都のお地蔵さん(地蔵盆と地域コミュニティの変遷)」「映画におけるタイムマシン・パラドックス(『ターミネーター』PartⅠとPartⅡでのタイムマシン・パラドックスを思い出してください)」「スーパー銭湯の経営戦略」等々、各年度のゼミ生の希望に応じてきました。千客万来、来る者は拒みません(かつて一度も定員に達したことがないので!! 事実上、拒めなかったわけですが!!)。

 最後に、『総政100冊の本・書評編』(皆さん、是非、総政100冊の本にお眼を通し下さい。先生方がみんなかなり手間をかけて選んだのですから)に引用した伊達政宗の五言絶句を紹介しましょう。おしまいの一行をどちらの読み方に従うかで、まったく異なる世界が広がるはずです。

馬上少年過   (馬上少年過ぐ)
 世平白髪多  (世平らかにして白髪多し)
残躯天所許   (残躯天の許すところ)
 不楽復如何  (楽しまずして如何せん/楽しまざるは如何せん)

プロフィール


高畑由起夫
◆研究分野:生態学、自然人類学、霊長類学 ◆研究内容:主な研究対象はニホンザルやチンパンジー、ワオキツネザル等ですが、潮間帯の巻貝類や水生昆虫、カラス等も調べたことがあります。霊長類学の視点で、近縁...